• TSRデータインサイト

電通グループ 3期ぶりに黒字転換へ、経済回復や本社ビル譲渡で

通期の当期利益は1075億円の黒字予想

 (株)電通グループ(TSR企業コード:291096654、東京都港区、東証1部)は8月11日、これまで未定だった2021年12月期(連結、国際会計基準)が、コロナ禍からの経済回復や電通本社ビルの譲渡などで1075億円の黒字に転換する見通しと発表した。当期利益が黒字になれば3期ぶり。前期は、海外事業の構造改革費用の計上が影響し、最終利益が1595億9600万円の赤字だった。
 発表した2021年12月期(連結)は売上高(収益)1兆390億円(前期比10.6%増)、営業利益2096億円(前期1406億2500万円の赤字)を見込む。国内および全ての海外地域の業績が大幅に回復したという。また、電通本社ビルの譲渡に関連した業績の影響額は営業損益で約870億円、当期損益では約560億円をプラス要因として反映させた。
 同時に発表した2021年1-6月期の売上高は4927億1400万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は843億8000万円(同193.5%増)と大幅に業績が改善した。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ