• TSRデータインサイト

JAL、4~6月期579億円の最終赤字 コスト削減で赤字縮小

 日本航空(株)(TSR企業コード:291141005、東京都品川区、東証1部、IFRS)は8月3日、2021年4-6月期連結決算を発表した。最終利益は579億1900万円の赤字(前年同期937億700万円の赤字)で、前年同期から357億8800万円赤字が縮小した。長引くコロナ禍のなか、前年同期と比べ貨物郵便収入を中心に旅客収入が増え、コスト削減の効果も出た。
 2021年4-6月期連結の売上高(売上収益)は1330億3200万円(前年同期比74.1%増)だった。旅客収入は国際線が112億円(同315.0%増)、国内線が380億円(同100.8%増)と1度目の緊急事態宣言の影響が出た前年同期から改善した。また、貨物郵便収入も476億円(同79.3%増)と好調だった。2022年3月期の連結業績予想は引き続き未定とした。
 7月30日に発表したANAホールディングス(株)(TSR企業コード:290096677、東京都港区、東証1部)の同期決算は、最終利益が511億5900万円の赤字だった。両社とも減便や経年機の退役などコスト削減を進め、早期の黒字化を目指している。しかし、感染者数の再拡大で書き入れ時の夏場の移動が制限を受けて旅客需要の回復が見通せず、コロナ禍の影響がさらに長期化する可能性もある。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ