• TSRデータインサイト

日本海洋掘削、新スポンサーと契約締結=更生計画の変更を裁判所に提出

 2018年6月に東京地裁に会社更生法の適用を申請した日本海洋掘削(株)(TSR企業コード:290382459、台東区)は新スポンサーと契約を締結し、更生計画の変更案を東京地裁に提出したと7月30日、発表した。
 日本海洋掘削は、地球深部探査船「ちきゅう」や石油・天然ガスの掘削するリグの運用を手掛け、2009年に東証1部に上場していた。しかし、原油価格の下落による掘削需要の減少などで業績が悪化。負債904億円を抱えて、会社更生法の適用を申請した。
 2019年3月、投資会社などが設立した企業とスポンサー契約を締結。同年10月に更生計画案認可決定を受け、再建を進めていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大から2020年6月にスポンサー契約の解除通知を受けていた。
 その後、新たなスポンサーの選定を進め、2021年7月2日にアスパラントグループ(株)(TSR企業コード:294809120、東京都港区)の出資目的会社とスポンサー契約を締結した。8月上旬を目途に「更生計画変更計画案」が付議決定される見通し。
 新スポンサーは、資金や人材を提供して再建をサポートしていく。7月30日夜、日本海洋掘削の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「リグはすべて稼働している。コロナの影響はあるが、(人員を)やりくりしながら操業を続けている」とコメントした。同日、アスパラントグループは、「更生計画変更の認可決定後、2021年12月頃に投資実行を想定している」と発表した。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ