• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連破たん1,539件【5月28日16:00 現在】

 5月28日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が10件判明、全国で累計1,464件(倒産1,382件、弁護士一任・準備中82件)となった。
 月別では2月(122件)、3月(139件)と、2カ月連続で月間最多件数を更新し、増勢ペースが鮮明となり、4月は初めて月間150件超えの154件が判明。3カ月連続で最多件数を更新した。5月も28日時点で113件が判明し、4カ月連続で100件を上回った。
 なお、倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計75件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計1,539件となった。
 3度目の緊急事態宣言は、6月20日まで期限を延長することになった。「まん延防止等重点措置」適用地域も含めて、飲食店の酒類提供の制限、飲食店や商業施設などの時短営業や休業が広がり、消費関連企業への影響が懸念される。
 ダメージを受けた企業への金融支援策は継続するが、事態の長期化による過剰債務の問題や、息切れ、事業継続をあきらめて破たんに至るケースも多い。コロナ関連破たんは引き続き、高い水準で推移する可能性が高まっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 愛知県で70件目が判明 ~

 都道府県別では、東京都が353件(倒産333件、準備中20件)に達し、全体の約4分の1(構成比24.1%)を占め、突出している。以下、大阪府149件(倒産143件、準備中6件)、神奈川県74件(倒産69件、準備中5件)、愛知県70件(倒産69件、準備中1件)、北海道61件(倒産60件、準備中1件)と続く。
 28日は東京都で2件発生したほか、栃木県、茨城県など8府県でそれぞれ1件判明し、愛知県では70件目が判明した。都道府県別では10~20件未満が17県、20~30件未満が7府県、30件以上は11都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上)~ 飲食が最多264件、建設136件、アパレル127件、宿泊79件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多の264件。一部地域では休業や時短の要請が継続し、営業制限が続く飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が136件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の127件。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が79件と続く。
 また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が64件、食品製造業も48件と目立ち、飲食業界の不振が関連業種に波及している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した1,440件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の521件(構成比36.1%)、次いで1億円以上5億円未満が495件(同34.3%)、5千万円以上1億円未満が244件(同16.9%)、5億円以上10億円未満が92件(同6.3%)、10億円以上が88件(同6.1%)の順。
 負債1億円未満が765件(同53.1%)と半数を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1,382件の形態別では、破産が1,218件(構成比88.1%)で最多。次いで民事再生法が78件(同5.6%)、取引停止処分が70件(同5.0%)、特別清算が9件、内整理が6件、会社更生法が1件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した1,380件の従業員数の合計は1万7,600人にのぼった。
 1,380件の内訳では従業員5人未満が734件(構成比53.1%)と、半数を占めた。次いで、5人以上10人未満が276件(同20.0%)、10人以上20人未満が193件(同13.9%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 また、従業員50名以上の破たんは2021年1-3月で11件発生し、4月は1件発生した。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


0528以上日本地図

‌               (負債1,000万円以上)                  

0528未満日本地図

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ