• TSRデータインサイト

SBIソーシャルレンディング、自主廃業とSL事業からの撤退を決定

 

 SBIホールディングス(株)(TSR企業コード:293749795、東京都港区、東証1部、以下SBIHD)は5月24日、全既存ファンドの償還を条件に子会社のソーシャルレンディング会社の廃業とソーシャルレンディング事業からの撤退を決定したと発表した。子会社は、貸付先の重大な懸案事項に関し、第三者委員会から金融商品取引法違反を認定され、社内処分などを4月に発表していた。
 廃業と事業撤退を決めたのは、SBIHDの子会社のSBIソーシャルレンディング(株)(TSR企業コード:297322095、東京都港区、以下SBISL)。貸付先の(株)テクノシステム(TSR企業コード:352551062、横浜市西区)との間で、投資家に提示した資金使途と異なる支払いなどが判明、問題となっていた。テクノシステムは5月17日、バンクミーティングを開催し、6月上旬をめどに東京地裁への法的処理の申請を検討していることを明かしている。報道によると、金融庁はSBISLに対し、業務停止命令を出す方針。
 SBISLは本件の未償還元本相当額の償還手続きを進め、すでに対象ファンドの99.94%(出資額ベース、5月23日現在)の投資家が同意しているという。
 SBISLは、今年3月から新規ファンドの募集を全面的に停止し、新設した「アセットマネジメント部」で既存ファンドの管理・回収を進める意向。SBIHDは、「今般の決定に伴う当社連結業績への影響は軽微」としている。


人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【TSRの眼】「トランプ関税」の影響を読む ~ 必要な支援と対応策 ~

4月2日、トランプ米国大統領は貿易赤字が大きい国・地域を対象にした「相互関税」を打ち出し、9日に発動した。だが、翌10日には一部について、90日間の一時停止を表明。先行きが読めない状況が続いている。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

3

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 インバウンド需要と旅行客で絶好調 稼働率が高水準、客室単価は過去最高が続出

コロナ明けのインバウンド急回復と旅行需要の高まりで、ホテル需要が高水準を持続している。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2024年10-12月期の客室単価と稼働率は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に、前年同期を上回った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年度の「後継者難」倒産 過去2番目の454件 代表者の健康リスクが鮮明、消滅型倒産が96.6%に 

2024年度の後継者不在が一因の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は、過去2番目の454件(前年度比0.8%減)と高止まりした。

5

  • TSRデータインサイト

2025年「ゾンビ企業って言うな!」 ~ 調達金利の上昇は致命的、企業支援の「真の受益者」の見極めを ~

ゾンビ企業は「倒産村」のホットイシューです、現状と今後をどうみていますか。 先月、事業再生や倒産を手掛ける弁護士、会計士、コンサルタントが集まる勉強会でこんな質問を受けた。

TOPへ