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詐欺容疑で家宅捜索を受けていた(株)テクノシステム(横浜市)が法的清算へ

民事再生または破産を視野に

 ソーシャルレンディングの融資トラブルが表面化したほか、東京地検から家宅捜索を受けていた(株)テクノシステム(TSR企業コード:352551062、法人番号:4020001083435、横浜市西区)が5月17日、都内でバンクミーティングを開催し、会社関係者が法的清算を視野に入れていることを明らかにした。6月上旬を目標に東京地裁に民事再生法の適用または破産を検討しているという。
 テクノシステムは、再生可能エネルギー事業へ参入したことで事業を急拡大し、2019年11月期には売上高161億3913万円をあげていた。 しかし、一部資金を調達していたSBIソーシャルレンディング(株)(TSR企業コード:297322095)が今年2月、貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じたと発表。貸付先である当社との間でトラブルが表面化していた。
 また4月には別の融資を巡って、金融機関に虚偽の書類を提出して約4億円を詐取した疑いで、当社と関係先が東京地検特捜部から家宅捜索を受けていた。 一連の経緯により事業を大幅に縮小し、動向が注目されるなかで、バンクミーティングを開催した。バンクミーティングには、会場やオンラインで約30行が参加し、テクノシステムの資金繰りや今後の法的処理について代理人弁護士やテクノシステムの役員が説明したとみられる。
 バンクミーティング開催後には、代理人弁護士が取材に応じ、テクノシステムは「意図的に融資のために悪質な行為を行った認識はない」と説明。今後の方針は、「法的処理で、民事再生もしくは破産となる。6月上旬を(申請の)目標にしたい」と会社側が初めて法的清算を検討していることを明らかにした。
 代理人弁護士によると、負債総額は約150億円で、このうち金融債務が約90億円を占める。

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