• TSRデータインサイト

三越伊勢丹HD 純利益は2期連続の赤字

2022年3月期は3期ぶりの黒字転換を狙う

 (株)三越伊勢丹ホールディングス(TSR企業コード:297339362、新宿区、東証1部)は5月12日、2021年3月期(連結)の当期純利益が410億7800万円の赤字だったと発表した。赤字は2期連続。2008年の上場以来、初めて売上高が1兆円を下回った。
 三越伊勢丹HDは、新型コロナの感染拡大による期中2度の緊急事態宣言発令に伴い、施設の休業や時短営業を実施したことで大幅な減収減益となった。2021年3月期(連結)は売上高8160億900万円(前期比27.1%減)、営業利益209億7600万円の赤字(前期156億7900万円の黒字)、当期純利益410億7800万円の赤字(同111億8700万円の赤字)だった。
 ラグジュアリーブランドや時計、宝飾など付加価値の高い商品は好調で、ECサイトでは食料品や住関連など巣ごもり需要を受け稼働が高まっている。ただ、3度目の緊急事態宣言(4月25日から5月31日まで)による休業期間中は、売上高(総額)290億円、連結営業利益37億円の減少が見込まれている。
 同日、発表した2022年3月期(連結)の業績予想はこれまでの計上方式を変更し、売上高4470億円(従来基準9650億円)、営業利益30億円、当期純利益10億円と黒字転換を計画している。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ