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2020年度 「負債1,000万円未満の倒産」調査

 2020年度(20年4月‐21年3月)の負債1,000万円未満の企業倒産は、616件(前年度比20.0%増)だった。2000年度以降で最多だった2009年度の566件を抜き、最多記録を更新した。
 負債1,000万円以上の企業倒産が、コロナ禍の支援策で歴史的な低水準をたどるなか、業績改善の遅れた小・零細企業の苦しい状況を浮き彫りにしている。
 産業別では、飲食業を含む「サービス業他」が302件(前年度比35.4%増)で最も多く、全体の49.0%とほぼ半数を占めた。以下、建設業(同9.7%増)、小売業(同17.8%減)の順だった。
 業種別では、コロナ禍で休業や時短営業を揺曳された飲食業が102件(前年度比70.0%増、前年度60件)で最多。内訳は、 「食堂,レストラン」(15→22件)、「バー,キャバレー,ナイトクラブ」(6→20件)、「酒場,ビヤホール」(13→19件)など。次いで、「飲食料品卸売業」が11件(前年度比450.0%増、前年度2件)と、飲食関連の増加が目立った。
 一方、リモートや在宅勤務の広がりで巣ごもり需要の恩恵を受けた「飲食料品小売業」は10件(同50.0%減、同20件)と、半減した。
 原因別では、「販売不振」が456件(構成比74.0%)で最多。形態別では、「破産」が597件(同96.9%)で最多だった。業績不振に陥った小・零細企業の再建の難しさを示している。
 1月に再発令された緊急事態宣言は再延長後、3月に終了した。だが、再び全国で感染が広がり、4月5日に宮城、大阪、兵庫の3府県で初めて「まん延防止等重点措置」が適用された。
 国や自治体、金融機関による資金繰り支援も1年を経過し、業績回復の遅れた企業は過剰債務を抱えている。コロナ禍の収束が見通せないなか、小・零細企業の体力は長引く業績不振で消耗している。過剰債務を解消する施策と同時に、企業に寄り添った支援策が急がれる。

  • 本調査は2020年度(2020年4月-2021年3月)で、全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、通常の「企業倒産」(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。

年度倒産 最多件数を記録、初の600件台に

 2020年度の負債1,000万円未満の企業倒産は616件(前年度比20.0%増)で、2000年度以降で、初めて600件台に乗せた。
 四半期別では、初の緊急事態宣言の発令で外出自粛、営業時短などを要請された2020年4-6月期は168件(前年同期比51.3%増)と急増、7-9月期も187件(同36.4%増)と大幅に増えた。
 「Go To キャンペーン」が始まった10-12月期は141件(同7.6%増)と増加率が縮小し、緊急事態宣言の再発令による飲食店への協力金などもあった2021年1-3月期は、120件(同10.4%減)と減少に転じた。ただ、後継者問題などを抱え、さらにコロナ禍の支援策による過剰債務で新たな借入が難しい企業も多い。コロナ禍で売上回復が遅れた企業は、体力を消耗している。先行きを見通せない企業は今後、倒産だけでなく休廃業への決断も迫られている。

1000万未満

産業別 10産業のうち、7産業で増加

 産業別では、製造業、小売業、不動産業を除く7産業で、前年度を上回った。
 最多は、サービス業他の302件(前年度比35.4%増)。倒産に占める構成比は49.0%で、約5割を占めた。「食堂,レストラン」(15→22件)、「バー,キャバレー,ナイトクラブ」(6→20件)、「酒場,ビヤホール」(13→19件)などの飲食業で増加した。  次いで、建設業90件(前年度比9.7%増)、小売業60件(同17.8%減)と続く。
 倒産件数が10件以上で増加率が最も高い卸売業(同41.0%増)は、「飲食料品卸売業」(2→11件)、「機械器具卸売業」(8→11件)などで増加した。
 一方、減少率が最も高かった小売業(前年度比17.8%減)は、巣ごもり需要による特需を追い風に「飲食料品小売業」(20→10件)が半減した。

形態別 9割以上が消滅型の破産

 形態別は、破産が597件(前年度比19.6%増)で最も多かった。倒産に占める構成比は96.9%(前年度97.2%)で、前年度より0.3ポイント低下したが、大半を占める状況に変わりはない。
 次いで、「民事再生法」が13件(前年度比85.7%増)で、すべて個人企業の小規模個人再生手続きだった。
 このほか、「取引停止処分」と「特別清算」が各3件発生した。
 法的倒産は613件(同20.6%増)で、年度倒産に占める構成比は99.5%(前年度99.0%)と大半を占めた。
 負債1,000万円未満は、小・零細企業・商店が大半を占める。もともと過小資本で消費者の行動変化の影響を真っ先に受けやすく、業績低迷から抜け出すのが難しい。そこにコロナ禍が押し寄せ、深刻な業績悪化から先行きを見通せずに、消滅型の破産を選択するケースが多い。
 また、個人破産に合わせて法人を法的処理するケースも散見された。

原因別 販売不振が7割以上

 原因別は、最多が「販売不振」の456件(前年度比26.3%増)。倒産に占める構成比は74.0%(前年度70.3%)で、前年度より3.7ポイント上昇した。
 次いで、「他社倒産の余波」が54件(前年度比6.8%減)。
 また、「事業上の失敗」が30件(同9.0%減)。コロナ禍で厳しい経営環境が続き、事業基盤の構築途上で業績低迷から抜け出せなかった企業が多かったようだ。
 このほか、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が27件(同68.7%増)と急増した。また、代表者の死亡・病気などを含む「その他」は26件(同18.1%増)で、後継者難の問題が顕在化している。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は486件(同28.5%増)で、構成比は約8割(構成比78.8%)だった。

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