• TSRデータインサイト

HIS 第1四半期は116億円の営業赤字、1月の旅行総取扱高は前年同月比3.3%

 (株)エイチ・アイ・エス(TSR企業コード:292203993、東証1部)は3月15日、20年11月~21年1月(第1四半期)の連結営業利益が従来予想から16億円悪化の116億7700万円の赤字だったと発表した。1月の旅行総取扱高の速報では、前年同月比96.7%減と再び大幅に減少。新型コロナの影響が1年間続き、長期化よる業績への影響が懸念される。

 国内旅行の取扱高は、「Go Toトラベル」で11-12月は回復したが、新型コロナの感染拡大で昨年末から「Go Toトラベル」の一時停止が続き、1月に再び前年を大きく割り込んだ。海外旅行や訪日旅行の苦戦も続く。ただ、ハウステンボスは感染症対策が評価され、修学旅行での利用者は前年以上を獲得するなど、テーマパーク事業の営業利益は10億6900万円の黒字を確保した。

 20年11月~21年1月(第1四半期)の連結業績は、売上高388億6000万円(前年同期比80.5%減)、営業利益116億7700万円の赤字(前年同期37億9100万円の黒字)、最終利益は79億8100万円の赤字(同21億7700万円の黒字)だった。特別利益で雇用調整助成金等の支給申請の実施などで連結決算において34億1100万円を計上した。

 昨年12月に公表した第1四半期の業績予想は、売上高360億円、営業利益100億円の赤字、最終利益は63億円の赤字見通しと、売上高以外、従来予想から悪化した。中間や通期の業績予想は、未定としている。

 同日、持株会社体制への移行中止を発表した。2019年12月から、意思決定の迅速化などを目的に持株会社体制への移行手続きを進めていたが、新型コロナの影響により、いち早く業績を回復させるために移行を一旦中止する。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ