• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連破たん【3月1日17:00 現在】

 3月1日は17時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が21件(倒産19件、弁護士一任・準備中2件)判明し、負債1,000万円以上の累計は全国で1,079件(倒産1,004件、弁護士一任・準備中75件)となった。

 月別では2020年9月以降、11月まで3カ月連続で100件超え。12月、1月は2カ月連続で100件を下回ったが90件台と、引き続き高い水準で推移した。

 2月はこれまで過去最多の2020年10月(105件)を大きく上回り、月別最多の122件に達した。

 なお、倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計51件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計1,130件となった(P5参照)。

 2度目の緊急事態宣言は2月28日で首都圏以外の2府4県で解除された。ただ、東京など1都3県は引き続き継続され、事業環境の回復には当分時間がかかる見込みだ。体力の乏しい中小企業ほど疲弊感が強まり、ここにきてコロナ関連破たんの増勢が鮮明になってきた。

 支援策頼みで経営を維持している企業は多い。息切れやあきらめ型、休業状態だった企業の債務整理なども進み、コロナ関連破たんの発生頻度はさらにピッチをあげる可能性が高まっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上)~ 10都道府県で30件以上 ~

 都道府県別では、東京都が264件(倒産248件、準備中16件)に達し、全体の4分の1(構成比24.4%)を占め、突出している。以下、大阪府103件(倒産95件、準備中8件)、神奈川県57件(倒産54件、準備中3件)、愛知県50件(倒産49件、準備中1件)、兵庫県44件(倒産41件、準備中3件)、北海道43件(倒産43件)と続く。
 1日は東京都で4件、神奈川県と静岡県でそれぞれ3件ずつ判明するなど全国で21件が発生。この結果、都道府県別では10~20件未満が17府県、20~30件未満が2県、30件以上は10都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が183件、アパレル100件、建設93件、宿泊68件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業の183件が最多。緊急事態宣言の再発令で飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が100件に達した。また工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が93件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が68件と続く。
 また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が52件、食品製造業も35件と目立ち、飲食業界の不振が関連業種に波及している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した1,055件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で377件(構成比35.7%)。次に、1千万円以上5千万円未満359件(同34.0%)、5千万円以上1億円未満173件(同16.3%)、10億円以上が76件(同7.2%)、5億円以上10億円未満が70件(同6.6%)の順。
 負債1億円未満が532件(同50.4%)と半数を占める。一方、100億円以上の大型倒産も5件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1,004件の形態別では、破産が882件(構成比87.8%)で最多。次いで民事再生法が58件(同5.7%)、取引停止処分が52件(同5.1%)、特別清算が7件(同0.6%)、会社更生法が1件(同0.09%)と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した1,009件の従業員数の合計は1万4,654人にのぼった。
 1,009件の内訳では従業員5人未満が522件(構成比51.7%)と、半数を占めた。次いで、5人以上10人未満が193件(同19.1%)、10人以上20人未満が149件(同14.7%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 一方、2月は従業員50名以上の破たんが4件、3月もすでに1件発生しており、中堅規模以上の企業の破たんも徐々に目立っている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図20210301①

‌               (負債1,000万円以上)                  

日本地図20210301②

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ