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ワタミ、21年3月期は116億円の最終赤字へ

 居酒屋大手のワタミ(株)(TSR企業コード:350488649、大田区、東証1部)は2月12日、2021年3月期(連結)の最終利益が116億6300万円の赤字になりそうだと発表した。「新型コロナウイルス」感染拡大による来店客数の減少や不採算店舗の閉鎖費用が響いた。
 2020年4-12月の連結業績は、売上高が465億2100万円(前年同期比33.3%減)、営業利益が69億2400万円の赤字、純利益が85億3900万円の赤字だった。
 ワタミは2020年4-12月に、国内外食事業で80店を新規出店する一方、113店を閉鎖。国内の既存店売上高は前年同期比63.7%減、既存店客数は同62.7%減少した。海外外食事業では、新規出店が5店にとどまったのに対して、撤退はその倍に当たる10店実施した。国内外店舗の減損処理に14億1200万円を計上した。
 主力の外食では不振が続く一方で、宅食事業は拡大している。セグメント売上高は前年同期比5.1%増の277億500万円、セグメント利益は同45.0%増の23億8000万円と伸長した。
 ワタミは、国内外食事業で工場の統合・集約を進めるほか、人件費の削減、居酒屋店舗を焼肉業態店舗への転換を進めるなどして業績改善を目指す。


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