• TSRデータインサイト

新型コロナ関連の経営破たん、全国で累計928件 負債140億円の大型倒産が発生

 1月15日は17時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が3件(倒産2件、準備中1件)判明し、2月からの累計は全国で883件(倒産811件、弁護士一任・準備中72件)となった。静岡県の地場製紙メーカー、大興製紙(株)(TSR企業コード:440024757、富士市、負債140億800万円)が、新型コロナウイルス関連では初となる会社更生法の適用を申請。負債総額も4番目の大型倒産となった。

 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ったが、9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。12月は100件を下回ったが、96件と依然として高止まりで推移。1月も15日時点で40件が判明し、100件ペースが続く。
 なお、集計対象外だが、負債1000万円未満の小規模倒産は累計45件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計928件となった。
 1都3県で始まった緊急事態宣言の再発令に続き、対象地域に7都府県が加わった。飲食店に対する時短営業や外出自粛要請で消費活動の停滞が広がり、関連業界への深刻な影響が懸念される。
 感染拡大を防止する難しい舵取りが続く一方で、事業環境の悪化で新型コロナ破たんはさらに増加する可能性もあり、断続的な資金繰り支援が求められている。

コロナ倒産0115

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ