• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連破たん【12月17日16:00 現在】

 12月17日は16時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が4件(倒産3件、弁護士一任・準備中1件)判明し、2月からの累計は全国で799件(倒産732件、弁護士一任・準備中67件)となった。

 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。

 12月は17日までに52件が判明、引き続き月間100件前後の高いペースで推移している。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計39件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計838件に到達した。

 感染者数が連日、各地で過去最多を更新し、感染の再拡大に歯止めがかからない。こうしたなか「GoToトラベル」キャンペーンは全国で一時停止が決定。また、酒を提供する飲食店などへの時短営業要請なども広がり、忘・新年会需要は激減している。

 年末の書き入れ時を前に経営体力の乏しい飲食業者など、消費関連の小・零細企業への影響が懸念される。感染拡大防止との難しい舵取りが続くなかで、コロナ関連破たんは予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上)~ 6都道府県で30件以上発生 ~

 都道府県別では、東京都が191件(倒産175件、準備中16件)で、全体の2割以上(構成比23.9%)を占め、突出している。以下、大阪府が78件(倒産74件、準備中4件)、兵庫県(倒産34件、準備中4件)と神奈川県(倒産32件、準備中6件)がそれぞれ38件、北海道(倒産34件)と愛知県(倒産33件、準備中1件)がそれぞれ34件と続く。
 17日は東京都で2件判明し、千葉県と福岡県でそれぞれ1件ずつ判明した。都道府県別では10~20件未満が14府県、20~30件未満が3県、30件以上は6都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が137件、アパレル関連78件、宿泊業60件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が137件と最多。来店自粛や特定業種への時短営業要請などの影響で、今後の推移に注目が集まる。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が78件。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業は60件に達した。
 以下、工事計画の見直しなど影響を受けた建設業が55件にのぼるほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が39件、食品製造業も28件と多く、飲食業界の不振が影響している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した773件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で290件(構成比37.5%)。次に、1千万円以上5千万円未満244件(同31.5%)、5千万円以上1億円未満127件(同16.4%)、5億円以上10億円未満と10億円以上がそれぞれ56件(同7.2%)の順。
 負債1億円未満が371件(同47.9%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も4件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した732件の形態別では、破産が651件(構成比88.9%)で最多。次いで、取引停止処分40件(同5.4%)、民事再生法が38件(同5.1%)、特別清算3件(同0.4%)と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。また、9月以降に発生した民事再生8件のうち、5件は個人企業の小規模個人再生によるもの。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した737件の従業員数の合計は1万2,284人にのぼった。
 737件の内訳では従業員5人未満が359件(構成比48.7%)と、半数近くを占めた。次いで、5人以上10人未満が145件(同19.6%)、10人以上20人未満が118件(同16.0%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 従業員50名以上の破たんは8月以降、月間2件以下の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図1217①

‌                      

日本地図1217②

‌                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大

2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、2カ月連続の150件割れ

2月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が140件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万3,715件に達した。2026年1月は143件で2022年1月の117件以来、4年ぶりに150件を下回ったが、2月も140件と小康状態が続いている。

3

  • TSRデータインサイト

2025年の株主優待「導入」上場企業は175社 個人株主の取り込みが課題、優待廃止は68社に

2025年に株主優待の導入(再導入を含む)を発表した上場企業は175社だった。一方で、廃止を発表した上場企業は68社だったことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。

TOPへ