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電通グループ 構造改革で237億円の赤字見通し、海外事業約5800人を削減へ

 (株)電通グループ(TSR企業コード:291096654、東京都港区、東証1部)は12月7日、これまで未定としていた2020年12月期(連結、IFRS基準)の業績予想を公表し、当期利益が237億円の赤字になりそうだと発表した。海外事業の構造改革費用の計上が響く。
 コロナ禍の影響で、予想数値の算出が困難となり、5月27日に業績予想を取り下げていた。
 2020年12月期の業績予想は、売上高(収益)9287億円(前年1兆478億8100万円)、営業利益114億円の赤字(同33億5800万円の赤字)、当期利益237億円の赤字(同808億9300万円の赤字)とした。
 電通グループによると、海外事業での構造改革は、同事業に従事する全従業員(2019年12月末現在4万6558人)の12.5%(約5800人)を削減するなど事業統合を進める。「2020年度には約410百万英ポンド(約561億円)、残りは2021年度に計上する見込み」とし、2年間で約640百万英ポンド(約876億円)の事業構造改革費用の計上を想定している。構造改革効果は、2021年度末から12カ月ベースで約400百万英ポンド(約547億円)以上を想定する(1英ポンド136.8円)。
 国内事業も再編など、具体的な施策を決定・実行する予定という。


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