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「為替」関連倒産(11月度速報値)

 2020年11月のドル円相場は、米大統領選挙の結果判明が遅れたため、8カ月ぶりに一時103円割れ目前までドル売りが進んだ。その後は、新型コロナウイルスワクチン開発のニュースや各国の金融緩和を背景に米国や日本の株価が上昇、為替相場でもドルの買戻しが進み、105円台前半まで戻す場面もみられた。
 東京商工リサーチが7月30日に発表した「東証1部、2部上場メーカー129社の2021年3月期決算想定為替レート調査」では、「新型コロナウイルス」の影響もあり、約7割(89社)が開示していない。また、開示した40社では、1ドル=105円の設定が過半数(21社)を占めた。為替相場ではドル安が進行する見方もあり、多くのメーカーに為替差損が発生する可能性をはらんでいる。
 こうしたなか、11月の「円安」関連倒産(速報値)は、7カ月連続で発生がなかった(前年同月1件)。倒産発生ゼロの連続記録を7カ月に伸ばした。また、「円高」関連倒産(速報値)は、2カ月連続で発生がなかった(同ゼロ)。

円安

円高

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1-6月の「人手不足」倒産 上半期最多の172件 賃上げの波に乗れず、「従業員退職」が3割増

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