• TSRデータインサイト

苦境の紳士服業界 新型コロナでスーツ需要が急減しコナカは129億円の赤字

 「紳士服のコナカ」や「フタタ」などを展開する(株)コナカ(TSR企業コード: 350617880、横浜市戸塚区、東証1部)は11月19日、2020年9月期(連結)の純利益が129億4800万円の赤字だったと発表した。新型コロナの感染拡大以降、主力のスーツの需要減が響いた。紳士服業界は新型コロナの影響が直撃し、苦戦が続いている。
2020年9月期(連結)は、売上高478億4200万円(前年比21.2%減)、営業利益49億3800万円の赤字(前年7300万円の黒字)、純利益129億4800万円の赤字(前年53億4400万円の赤字)だった。純利益は3期連続の赤字と利益の回復が遅れている。赤字計上から純資産は前年度末から108億4800万円減少し、320億1400万円だった。
消費増税後の消費低迷に加え、新型コロナの影響で繁忙期の新入学・入社式、就活の需要が落ち込んだ。その後もテレワークの広がりなどから来店数の回復が遅れた。また、2019年9月に資本業務提携し、今年9月に連結子会社化したバッグ製造販売の(株)サマンサタバサジャパンリミテッド(TSR企業コード:293842310、東京都港区、東証マザーズ)の不振も響いた。
コナカは、長年スーツ市場でしのぎを削ってきた百貨店の紳士服売り場に本格的に出店する。また、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」にコナカとして初めて「SUIT SELECT(スーツセレクト)」を出店する予定で、巻き返しを図っていく。
同日公表した2021年9月期(連結)の売上高は791憶4700万円(前年比65.4%)、営業利益5憶3900万円、純利益1億3600万円と増収、黒字転換を見込む。
紳士服業界の低迷が続いている。業界首位で「洋服の青山」を展開する青山商事(株)(TSR企業コード:720045720、福山市、東証1部)は、2021年3月期(連結)の純利益が292億円の赤字を見込む。正社員の1割にあたる400名の希望退職を初めて募集するほか、全店舗の2割にあたる160店舗の閉鎖も公表している。
「AOKI」などを運営する(株)AOKIホールディングス(TSR企業コード:292080697、横浜市都筑区、東証1部)も2021年3月期(連結)は純利益が53億5000万円の赤字見通し。(株)はるやまホールディングス(TSR企業コード:710025203、岡山市北区、東証1部)は2021年3月期(連結)の業績予想は新型コロナの影響で未定だが、2020年4-9月(連結)では純利益25億4400万円の赤字と苦戦している。

苦戦する紳士服4社の業績(連結)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ