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「新型コロナウイルス」関連破たん【11月2日17:00 現在】

 11月2日は17時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が10件(倒産10件)判明し、2月からの累計は全国で656件(倒産598件、弁護士一任・準備中58件)に達した。

 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件と3カ月ぶりに前月を上回り、10月は105件で単月での最多件数を更新した。

 コロナ関連破たんは、企業業績が回復しないなかで支援効果の息切れが鮮明になってきた。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計34件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計690件となった。

 事業環境の悪化が長引き、新型コロナ対応の追加融資やリスケの見直し時期に差し掛かっている。政府や自治体による資金繰り支援効果の息切れが指摘される一方、追加融資を続ければ、将来の過剰債務に繋がる可能性は否めない。体力の乏しい小・零細企業を中心に脱落が加速する懸念が広がるなかで、新たな支援策のあり方が課題となっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 20件以上発生は全国9都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が148件(倒産138件、準備中10件)で、全体の2割以上(構成比22.5%)を占め、突出している。以下、大阪府が67件(倒産61件、準備中6件)、北海道32件(倒産32件)、兵庫県30件(倒産25件、準備中5件)、愛知県28件(倒産27件、準備中1件)、神奈川県27件(倒産22件、準備中5件)と続く。
 2日は東京都、大阪府、広島県でそれぞれ2件ずつ、北海道、兵庫県、徳島県、福岡県でそれぞれ1件ずつ判明。この結果、広島県が20件に達し、20件以上は9都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が112件、アパレル関連67件、レナウンは破産へ ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が112件と、増加ペースが鈍らず、突出している。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が67件と再び増勢が強まっている。なお、アパレル名門の(株)レナウン(5月民事再生)は10月30日、民事再生手続の廃止決定を受け、破産へ移行することが判明した。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が54件と続き、3業種が目立つ。
 工事計画の見直しなど影響を受けた建設業が41件にのぼるほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が33件、食品製造業も27件に達し、飲食業界の需要減が影響している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した637件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で238件(構成比37.3%)。次に、1千万円以上5千万円未満189件(同29.6%)、5千万円以上1億円未満108件(同16.9%)、5億円以上10億円未満が52件(同8.1%)、10億円以上が50件(同7.8%)の順。
 負債1億円未満が297件(同46.6%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産は累計3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した598件の形態別では、破産が533件(構成比89.1%)で最多。次いで、民事再生法が35件(同5.8%)、取引停止処分29件(同4.8%)、特別清算1件(同0.1%)と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の9割以上を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。なお、9月以降に発生した民事再生5件はいずれも個人企業の小規模個人再生によるもの。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した611件の従業員数の合計は1万1,352人にのぼった。
 611件の内訳では従業員5人未満が281件(構成比45.9%)と、4割以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が125件(同20.4%)、10人以上20人未満が98件(同16.0%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者ほど、新型コロナによる影響が大きい傾向となっている。
 従業員50名以上の破たんは8月以降10月までで、月間2件以下の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図1102①

‌                   (負債1,000万円以上)

日本地図1102②

‌                   (負債1,000万円未満を含む)

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