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蝶理の子会社、「オルベーラ」の東京白ゆり會が来年2月で全店閉鎖へ

 ミセス向けブランド「オルベーラ」や「るんびに」などを展開する老舗アパレルの(株)東京白ゆり會(TSR企業コード:291289274、台東区)が2021年2月末で全店舗を閉鎖することがわかった。競争が激しく、将来の収益確保が見込みにくいため閉鎖を決定した。来年2月末までは通常通り営業を行う予定。

 親会社の繊維商社の蝶理(株)(TSR企業コード:570129095、大阪市中央区、東証1部)が10月23日、取締役会を開催し、事業収束を決議していた。

 東京白ゆり會は、1948年創業の老舗アパレルで、大手百貨店を中心に出店。企画から製造、縫製まで国内生産にこだわり、高い品質から固定客を持ち、2013年6月期には売上高19億987万円をあげていた。

 2014年には蝶理が子会社化し、シナジー効果を狙っていたが、百貨店の売上低迷から当社も販売が落ち込み、減収傾向を余儀なくされていた。今年に入って新型コロナの感染拡大で百貨店の休業や来店数の減少も響いたもようだ。

 蝶理は10月26日、通期の連結決算予想(2021年3月期)を売上高2,100億円(前年比36.2%減)、営業利益47億円(同42.8%減)、当期純利益22億円(同63.9%減)に上方修正した。東京白ゆり會の店舗閉鎖も連結業績予想に織り込んでいるという。


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