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「新型コロナウイルス」関連破たん【10月15日16:00 現在】

 10月15日は16時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が3件(倒産3件)判明し、2月からの累計は全国で590件(倒産530件、弁護士一任・準備中60件)に達した。

 月別では、単月最多の103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件と3カ月ぶりに前月を上回り、6月と同水準の件数となった。10月は15日時点で49件と月間100件前後のペースで推移、コロナ関連破たんは増勢基調が鮮明となっている。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計30件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計620件となった。

 コロナ禍による事業環境の悪化が長引くなか、新型コロナ対応の追加融資やリスケの見直しの時期に差し掛かっている。政府や自治体による資金繰り支援効果の息切れや、融資に依存した過剰債務の問題も浮上し、小規模の飲食業者など体力の乏しい小・零細企業を中心に脱落がさらに加速する懸念が広がっている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 10件以上発生は全国で17都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が139件(倒産129件、準備中10件)で、全体の2割以上(構成比23.5%)を占め、突出している。以下、大阪府が62件(倒産55件、準備中7件)、北海道30件(倒産30件)、愛知県26件(倒産25件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で17都道府県に広がっている。10月15日は大阪府、福井県、富山県でそれぞれ1件発生した。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が94件で最多、アパレル関連63件、宿泊業51件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が94件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が63件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が51件と続き、3業種が目立つ。
 このほか、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が35件のほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が31件、食品製造業も27件に達し、飲食業界の需要低迷が影響している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した573件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で219件(構成比38.2%)。次に、1千万円以上5千万円未満161件(同28.0%)、5千万円以上1億円未満96件(同16.7%)、5億円以上10億円未満が49件(同8.5%)、10億円以上が48件(同8.3%)の順。
 負債1億円未満が257件(同44.8%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した530件の形態別では、破産が470件(構成比88.6%)で最多。次いで、民事再生法が34件(同6.4%)、取引停止処分26件(同4.9%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。なお、9月以降に発生した民事再生4件はいずれも個人企業の小規模個人再生によるもの。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した543件の従業員数の合計は1万858人にのぼった。
 543件の内訳では従業員5人未満が242件(構成比44.5%)と、約4割を占めた。次いで、5人以上10人未満が115件(同21.1%)、10人以上20人未満が86件(同15.8%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者ほど、新型コロナによる影響が大きい傾向となっている。
 従業員50名以上の破たんは8月以降10月までで、月間1件の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図1015①

‌                   (負債1,000万円以上)

日本地図1015②

‌                   (負債1,000万円未満を含む)

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