• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「新型コロナウイルス」関連破たん状況【9月29日17:00 現在】

 9月29日17時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が10件(倒産6件、弁護士一任・準備中4件)判明し、2月からの累計は全国で536件(倒産474件、弁護士一任・準備中62件)に達した。月別では、6月に単月最多の103件発生。7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は28日までに95件が発生し、単月最多の6月を上回る可能性も出てきた。

 なお、集計基準外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計25件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計561件に達した。

 コロナ関連破たんは9月に入って再び増勢基調が鮮明になっている。

 政府や自治体の各種支援策などに依存し、経営を維持している企業は少なくないが、環境悪化が長引き、ここにきて資金繰り支援効果が薄まっている点が懸念される。コロナ前の収益水準に回復するには時間が必要で、新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もある。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 10件以上は16都道府県~

 9月1日、高知県で初のコロナ関連破たんが発生し、全都道府県に広がった。
 都道府県別では、東京都が131件(倒産122件、準備中9件)で、全体の4分の1(構成比24.4%)と突出している。以下、大阪府が56件(倒産48件、準備中8件)、北海道27件(倒産27件)、愛知県25件(倒産24件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で16都道府県。
 29日は新潟県のリゾートホテル運営会社が破産手続きの準備に入った。近年は少雪の影響で主力のスキー客が落ち込んでいた。さらに「新型コロナウイルス」の感染拡大でインバウンド客が急減し、事業を停止した。

【業種別】 (負債1,000万円以上) ~ 飲食業が82件で最多、アパレル関連59件、宿泊業48件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が82件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が59件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が48件で、この3業種が突出し続けている。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が30件に達し、飲食業界全体での需要低迷が広がり始めている。

【負債額】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産474件のなかで負債額が判明した472件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で182件(構成比38.5%)。次に、1千万円以上5千万円未満129件(同27.3%)、5千万円以上1億円未満78件(同16.5%)、10億円以上44件(同9.3%)、5億円以上10億円未満39件(同8.2%)の順。
 負債1億円未満が207件(同43.8%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。 

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した474件の形態別では、破産が419件(構成比88.3%)で最多。次いで、民事再生法が32件(同6.7%)、取引停止処分23件(同4.8%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図0929②

‌         (負債1,000万円以上)


日本地図0929①

‌         (負債1,000万円未満を含む)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ