• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連破たん状況【9月23日17:00 現在】

 9月23日は17時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が3件(倒産3件)判明した。2月からの累計は、全国で507件(倒産448件、弁護士一任・準備中57件)に達した。月別では、6月に単月最多の103件発生。その後、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は23日までに66件が発生し、3カ月ぶりに前月を上回ることがほぼ確実となった。
 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計23件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計530件に達した。

 コロナ関連破たんは9月に入って再び増勢基調が鮮明になっている。
 政府や自治体の各種支援策などに依存し、経営を維持している企業は少なくないが、環境悪化が長引き、ここにきて資金繰り支援効果が薄まっている点が懸念される。新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もあり、引き続き予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 大阪で50件目が発生、10件以上は16都道府県~

 9月1日、高知県で初のコロナ関連破たんが発生し、全都道府県に広がった。
 都道府県別では、東京都が125件(倒産115件、準備中10件)で、全体の4分の1(構成比24.6%)と突出している。23日は大阪府で3件の倒産が判明し、50件(倒産42件、準備中8件)に達した。以下、北海道25件(倒産25件)、愛知県24件(倒産23件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で16都道府県。
 大阪府では学校給食向け食品販売業者が破産した。オンライン授業なども普及し、春以降の給食需要の減少が回復せず、事業継続の見通しも立たなくなった。

【業種別】 (負債1,000万円以上) ~ 飲食業が75件で最多、アパレル関連56件、宿泊業47件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が75件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が56件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が47件で、この3業種が突出している。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業も29件と、飲食業界全体で需要低迷が広がり始めている。

【負債額】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産448件のなかで負債額が判明した446件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で174件(構成比39.0%)。次に、1千万円以上5千万円未満118件(同26.4%)、5千万円以上1億円未満74件(同16.5%)、10億円以上44件(同9.8%)、5億円以上10億円未満36件(同8.0%)の順。
 負債1億円未満が192件(同43.0%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した448件の形態別では、破産が396件(構成比88.3%)で最多。次いで、民事再生法が31件(同6.9%)、取引停止処分21件(同4.6%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図0923

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ