• TSRデータインサイト

「かぼちゃの馬車」のスマートデイズ、主要不動産の売却が完了

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」で社会問題となった(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672、東京都、破産手続き中)が保有していた主要不動産が売却されたことが、東京商工リサーチの取材でわかった。売却は8月31日付。
 売却されたのは、スマートデイズが2016年3月に取得していた港区西麻布の物件。スマートデイズはサブリース事業の行き詰まりで、2017年7月に(株)オーシャナイズ(TSR企業コード:296564656、東京都)から20億円の出資を受けた。この資金調達に関連して、最終的に同物件にはオーシャナイズを債務者として、ハナ信組が20億円の根抵当権を設定していた。このため、スマートデイズの破産手続きに基づく資産換価で、物件の扱いが注目されていた。

 オーシャナイズの関係者は東京商工リサーチの取材に対し、「(借入金すべての返済ではない)他の方法で根抵当権を解除した。手続き詳細は非公開」と語るにとどめた。
 また、スマートデイズの破産管財人団の一人は「物件の特性やコロナの影響もあり売却まで時間がかかった。売却額や弁済率への影響について、必要があれば債権者集会で報告する」とコメントした。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年9月11日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「マレリグループ」国内取引先調査 ~国内の取引先2,942社、影響懸念~

経営不振が続いたマレリグループの持株会社マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064、さいたま市北区)が6月11日(日本時間)、米国でチャプター11を申請した。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからマレリグループの取引先数(重複除く)は国内2,942社あることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「労働者派遣業」倒産53件 人材派遣が人手不足で年間最多ペースの可能性

深刻な人手不足が続くなか、 「労働者派遣業」の倒産がハイペースをたどっている。2025年5月の「労働者派遣業」倒産は、3月に並び今年最多の15件(前年同月比400.0%増)発生した。

3

  • TSRデータインサイト

「日産ショック」とマレリ、部品サプライチェーンの再編含み

マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064)と主要子会社は6月11日(日本時間)、チャプター11(連邦破産法第11条)を申請した。東京商工リサーチのデータベースによると、マレリグループの国内取引先は全国2,942社に及ぶ。

4

  • TSRデータインサイト

事前調整に明け暮れたマレリHDが再度破たん ~支援プレイヤーの場外乱闘の果て~

マレリHDを巡っては、準則型私的整理の一種である事業再生ADRでの再建を目指したが、海外金融機関の反対でとん挫し、前年の産業競争力強化法の改正で規定された民事再生の一部手続きを省略する簡易再生へ移行した。

5

  • TSRデータインサイト

(株)ピーエスフードサービス 保育園への食材納品がストップ=納入業者の資金繰り悪化で

保育園などに食材を販売している(株)ピーエスフードサービス(TSRコード:352395583、さいたま市見沼区)は納品が困難になっていることを自社ホームページで公表した。

TOPへ