• TSRデータインサイト

コロナ破たん、450件超に 全都道府県で発生 「新型コロナウイルス」関連破たん状況【9月2日17:00 現在】

 9月2日は17時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が6件(倒産6件)発生、2月からの累計は、全国で452件(倒産401件、弁護士一任・準備中51件)に達した。
 月別推移では2月2件、3月22件から4、5月は80件台に急増。6月は単月最多の103件が発生したが、7月は80件、8月は67件と前月を下回って推移、9月は2日までに11件が発生した。
 このほか、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計18件。
 緊急融資や金融機関・取引先のリスケ対応などの支援が効果を見せ、コロナ関連破たんの大幅な増加という事態は避けられている。ただ、支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、悪影響が長引けば長引くほど、体力の乏しい企業の脱落が加速する可能性がある。引き続き、コロナ関連破たんの動向は予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】 東京都が突出、福井県で5件目が発生

 9月1日にこれまで発生ゼロだった高知県でも発生し、全都道府県に広がった。
 このうち、東京都が116件(倒産107件、準備中9件)に達し、全体の4分の1(構成比25.6%)と突出。以下、大阪府42件(倒産35件、準備中7件)、北海道25件(倒産25件)、愛知県23件(倒産22件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は11都道府県。
 2日は福井県で5件目となるコロナ関連倒産が発生した。戸建住宅の施工、建売を展開していた建設業者が新型コロナの影響で一時休業を余儀なくされ、営業再開後も受注が回復せず事業継続を断念した。

【業種別】 飲食業が65件で最多、アパレル関連51件、宿泊業44件で続く

 業種別では来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が65件で最多。次いで百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が51件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が44件と、3業種が突出。このほか、飲食業者向けなどの売上減少が影響した飲食料品卸売業も23件発生している。


※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図0902

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ