• TSRデータインサイト

第7回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査【有効回答1万3,722社】

 新型コロナの収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性のある中小企業は8.5%に上ることがわかった。「平成28年経済センサス-活動調査」に基づく中小企業数は357万8,176社(個人企業含む)で、単純計算で30万社を超える中小企業が廃業を検討していることになる。感染防止と経済活動の維持の狭間で、中小企業の苦境が浮き彫りになった。
 また、新型コロナに関連した資金繰り支援の利用率は中小企業で49.9%だった。前回調査(6月29日~7月8日)より0.8ポイント増加した。利用した支援策のトップは、「持続化給付金」の49.9%。「民間金融機関の実質無利子・無担保融資」が49.4%で続く。社会インフラとしての民間金融機関の対応力が企業の資金繰りを下支えしている。
 2020年7月の売上高が前年同月(2019年7月)より落ち込んだ中小企業の割合は82.0%だった。前月より0.2ポイント改善したが、4月以降、4カ月連続で80%を上回った。東京商工リサーチの企業データベースでは、新型コロナ以前の2019年3月期の業績は、増収「5」:減収「4」:横這い「1」の割合で、コロナ前に戻れない企業業績の深刻さが浮かび上がる。

  • 2020年7月28日~8月11日にインターネットでアンケートを実施し、有効回答1万3,722社を集計、分析した。
    前回(第6回)の「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査は、7月14日発表。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

本調査結果の詳細はPDFファイルをご覧ください。

第7回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査[PDF:1.23MB]PDFファイルへのリンクです。


人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ