• TSRデータインサイト

スポンサー選定急ぐレナウン 560店舗を閉店、連結子会社5社が事業閉鎖

 5月15日に民事再生法の適用を申請し、再生手続きを進めている(株)レナウン(TSR企業コード:295833440、江東区)が、事業を縮小していることがわかった。
 連結子会社11社のうち、すでに2社が倒産、5社が事業を閉鎖したほか、7月末に560店舗を閉鎖した。スポンサー選定に向け、不採算事業を縮小し、事業価値を高める動きとみられる。

 現在、事業継続はレナウン本体のほか、下着などを扱う(株)レナウンインクス(TSR企業コード:295423331、江東区)、衣料品販売の(株)REDUインターフェイス(TSR企業コード:292341997、大田区)、保険代理業の(株)レナウンエージェンシー(TSR企業コード:291357725、江東区)の3社。
 6月に民事再生法の適用を申請した(株)ダーバン宮崎ソーイング(TSR企業コード:900082968、宮崎県、紳士服製造)は事実上、事業が止まっている状況だ。このほか、10年以上前に休眠していた(株)ローゼ(TSR企業コード:750022655、江東区、破産開始決定、婦人服製造)は7月30日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
 事業を閉鎖したのは、物流や清掃などの(株)レナウンハートフルサポート(TSR企業コード:297304020、江東区)、品質検査などの(株)レナウンアパレル科学研究所(TSR企業コード:294239430、品川区)のほか、(株)アズール(TSR企業コード:153035080、福島県西会津市)とブレードブレー(株)(TSR企業コード:150052553、福島県白河市)も6月末で工場の操業を停止している。また、香港の海外子会社も事業活動を休止した。

 レナウンの担当者は、「(2019年末は2,000店舗あったが)7月末時点の店舗数は約1,300店舗になった。8月も不採算店舗などを閉鎖し、収益性をあげていく」とコメントした。
 現在、複数のスポンサー候補と事業譲渡を交渉中で、ブランドや事業を分割してスポンサーに譲渡する方法も視野に入れているとみられ、レナウンの再建はヤマ場を迎えている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

M&A総研の関わりに注目集まる資金流出トラブル ~ アドバイザリー契約と直前の解約 ~

東京商工リサーチは、M&Aトラブルの当事者であるトミス建設、マイスHD、両者の株式譲渡契約前にアドバイザリー契約を解約したM&A総合研究所(TSRコード: 697709230、千代田区)を取材した。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業、中高年の活用に活路 「早期・希望退職」は大企業の2.8%が実施

 「早期希望・退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。人手不足が深刻化するなか、上場企業の「早期・希望退職」募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ。

3

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

4

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2023年度「赤字法人率」 過去最小の64.7% 最小は佐賀県が60.9%、四国はワースト5位に3県入る

国税庁が4月に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2023年度の赤字法人(欠損法人)は193万650社だった。普通法人(298万2,191社)の赤字法人率は64.73%で、年度集計に変更された2007年度以降では、2022年度の64.84%を下回り、最小を更新した。

TOPへ