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三陽商会、2021年2月期第1四半期決算を訂正 一部原価処理に誤り

赤字幅は当初から約3億円拡大

 経営再建中のアパレル大手、(株)三陽商会(TSR企業コード:290059666、東証1部)は7月10日、2021年2月期第1四半期(3-5月)決算を訂正した。

 6月30日に発表した同期第1四半期(3-5月期)の決算(連結)では、営業赤字は28億5,000万円で、「新型コロナウイルス」の影響による売場・店舗の臨時休業に伴う関連費用として特別損失11億9,800万円で計上。当期純損失は42億8,400万円だった。

 決算公表後、原価計算の処理に一部誤りが判明。「売上原価」と「臨時休業等による損失」を訂正し、営業赤字は29億9,600万円、当期純損失は45億9,600万円に、それぞれ修正した。
 三陽商会の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「売上原価と特別損失の増加は追加的に積み増したわけでなく、あくまで原価計算の誤りによる」と説明。また、6月30日時点で算定が困難としていた2021年2月期通期の業績予想については、引き続き未定としたうえで「業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する予定」とコメントした。

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