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2020年上半期(1‐6月)「人手不足」関連倒産

 2020年上半期(1-6月)の「人手不足」関連倒産は、253件(前年同期比33.1%増)で、集計を開始した2013年以降、上半期としては2019年(190件)を抜き、最多記録を塗り替えた。
 「後継者難」が194件(前年同期比79.6%増)と大幅に増加し、全体の約8割(構成比76.6%)を占めた。一方、「求人難」や「従業員退職」、「人件費高騰」は揃って減少に転じた。
 新型コロナ感染拡大を背景に、「早期・希望退職」募集を実施した上場企業は上半期で41社にのぼり、2019年1年間の35社を上回った。企業活動が縮小し、コロナ前に戻るには時間を要するなか、5月から2カ月連続で前年同月を下回る動きもあり、雇用状況は変化の兆しも出てきた。


2020年上半期「後継者難」が前年同期比1.8倍増

 2020年上半期(1-6月)の「人手不足」関連倒産は253件(前年同期比33.1%増)で、4年連続で前年同期を上回った。上半期では初の200件台で、最多記録を更新した。
 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などの「後継者難」が194件(前年同期108件)で、1.8倍増(前年同期比79.6%増)と急増した。
 次いで、人手確保が困難で事業継続が難しい「求人難」が26件(前年同期47件)、中核社員の独立、転職などで事業継続に支障が生じた「従業員退職」が19件(同20件)、賃金等の人件費アップから収益が悪化した「人件費高騰」が14件(同15件)。

2020年上半期の産業別、建設業が最多

 産業別では、最多が建設業の58件(前年同期比75.7%増、前年同期33件)。次いで、サービス業他56件(同11.1%減)、製造業39件(同77.2%増)、卸売業35件(同84.2%増)、小売業27件(同58.8%増)、運輸業15件(同16.6%増)と続く。前年同期に最多のサービス業他は構成比を11.0ポイント下げた(33.1%→22.1%)。

2020年上半期の地区別、最多は関東、7地区で増加

 2020年上半期の地区別は、全国9地区のうち、7地区で前年を上回った。最多は関東の87件(前年同期74件)で、近畿(同25件)と九州(同35件)が各37件、中国23件(同9件)、東北19件(同11件)、北海道14件(同5件)、北陸7件(同1件)が続く。減少は四国7件(同8件)のみで、中部は前年同期と同数の22件。

2020年上半期の都道府県別、最多は東京都の31件

 2020年上半期の都道府県別は、東京都31件(前年同期36件)、大阪府(同11件)と福岡県(同16件)が各18件、北海道(同5件)と広島県(同5件)が各14件、新潟県12件(同1件)の順。

6月は35件、2カ月連続で前年同月を下回る

 2020年6月の「人手不足」関連倒産は35件(前年同月比14.6%減、前年同月41件)で、5月に続き2カ月連続で前年同月を下回った。内訳は、「後継者難」が27件(前年同月24件)、「従業員退職」が4件(同4件)、「人件費高騰」が3件(同3件)、「求人難」が1件(同10件)。

6月の産業別、サービス業他が最多

 6月の産業別は、サービス業他が11件(前年同月19件)で最多だった。次いで、建設業8件(同5件)、小売業5件(2件)、製造業(同5件)と不動産業(同2件)が各3件、情報通信業2件、農・林・漁・鉱業と卸売業、運輸業が各1件で続く。
 6月の地区別では、全国9地区で倒産が発生した。最多は九州の8件(前年同月5件)で、次いで関東(同17件)と近畿(同4件)が各7件、中国4件(同4件)、中部3件(同3件)、北海道(同1件)と東北(同3件)が各2件、北陸(同ゼロ)と四国(同4件)が各1件の順。

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