• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2020年上半期(1‐6月)「飲食業倒産動向」調査

 2020年上半期(1-6月)の「飲食業」倒産は418件(前年同期比9.7%増)だった。2年連続で前年同期を上回り、上半期としては2001年以降の20年間で、2014年同期の419件に次いで、2012年同期と並び2番目に高い水準だった。
 業種別では、最多が「食堂,レストラン」の103件(前年同期比6.3%減)。次いで、「酒場,ビヤホール」が85件(同39.3%増)、イタリアンやインド料理などの「その他の専門料理店」が40件(同25.0%増)と続く。
 負債総額は268億400万円(同20.9%増)で、2年連続で前年同期を上回った。ただ、負債1億円未満が378件(構成比90.4%)、資本金1千万円未満(個人企業他を含む)が373件(同89.2%)と、小・零細規模が約9割を占め、資金力や経営体力に乏しい企業の淘汰がうかがわれる。
 「新型コロナウイルス」関連破たんは、7月8日11時までに全国で49件(倒産36件、準備中13件)発生し、飲食業が業種別では最多となっている。厳しい業績に加え、今年1月までは人材確保が難しく人件費高騰や消費増税などが経営を圧迫していた。そこに、2月以降、新型コロナ感染拡大による営業自粛、外出自粛やインバウンド需要消失などによる売上高急減で、経営環境は厳しさを増している。
 政府は様々な資金繰り支援策を講じているが、新型コロナ終息までの見通しは不透明感が漂っている。さらに、「新しい生活様式」は、小規模な飲食店のビジネスモデルには難しく、コスト先行から業績改善への障壁となってくるだろう。

  • ※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の倒産を集計、分析した。/li>

倒産件数、過去20年で2番目の多さ

 2020年上半期(1-6月)の「飲食業」倒産は、418件(前年同期比9.7%増)だった。2年連続で前年同期を上回り、2014年同期(419件)に次いで、2番目に高い水準となった。
 増加率では、「宅配飲食サービス業」が前年同期比81.8%増(11→20件)、「そば・うどん店」が同50.0%増(6→9件)、「酒場,ビヤホール」が同39.3%増(61→85件)と高かった。
 新型コロナの影響によるイベントの休止、営業自粛などで、幅広い業態で倒産が増加した一方、ブームの宅配飲食サービスが最も増加率が高く、過小資本の参入には厳しかったようだ。
 負債総額は、268億400万円(前年同期比20.9%増)で、2年連続で増加した。負債10億円以上が4件(前年同期2件)と倍増し、負債を押し上げた。ただ、負債1億円未満が378件(前年同期比11.5%増)と、全体の9割(構成比90.4%)を占め、小規模倒産が主体の推移に変わりはない。

飲食業上半期

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ