• TSRデータインサイト

「東日本大震災」関連倒産(6月度速報値)

 2020年6月の「東日本大震災」関連倒産は2件(速報値:6月30日現在)で、2カ月ぶりに発生した。ただ、3カ月連続で前年同月(3件)を下回るなど減少推移が続いている。
 なお、2020年上半期(1-6月)の累計倒産件数は15件(前年同期比31.8%減、前年同期22件)で、9年連続で前年を下回った。震災発生から9年3カ月を経た2020年5月に、震災関連倒産が初めて発生せず収束傾向をみせた。しかし、「新型コロナウイルス」の感染拡大に影響を受けた破たんも発生しており、今後は震災被害の回復途上にある企業への影響が懸念される。

震災1

6月の倒産事例

 (有)ぱすた亭(TSR企業コード151098794、法人番号9380002025453、福島県いわき市平三町35)は、パスタをメインとするイタリアン料理店を経営。当初の店舗はいわき市四倉町の海岸沿いにあり、海の見えるパスタ店として人気を博したが、2011年3月の東日本大震災で津波の被害を受けて店舗が全壊、以降はいわき市平田町のテナントビルに店舗を構えて営業を続けてきた。しかし、今年の3月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響から客足が大幅に落ち込み、過年度の損失も大きな負担となっていた。5月には閉店し6月9日、福島地裁いわき支部より破産手続開始決定を受けた。負債総額は約2,900万円。

震災2

 累計件数1,955件のうち、都道府県別で最も多かったのは東京の572件。次いで、宮城190件、北海道85件、岩手85件、福島83件、神奈川と茨城が各79件、千葉77件、福岡71件、栃木62件、群馬61件、静岡50件、山形と大阪が各48件、埼玉46件と続く。東北6県の倒産件数は463件(構成比23.6%)だった。
 産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の521件(構成比26.6%)。次いで、製造業457件(同23.3%)、卸売業355件(同18.1%)、建設業224件(同11.4%)、小売業186件(同9.5%)、運輸業80件、情報通信業64件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,726件(構成比88.2%)に対して、「直接型」が229件(同11.6%)だった。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大

2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、2カ月連続の150件割れ

2月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が140件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万3,715件に達した。2026年1月は143件で2022年1月の117件以来、4年ぶりに150件を下回ったが、2月も140件と小康状態が続いている。

3

  • TSRデータインサイト

2025年の株主優待「導入」上場企業は175社 個人株主の取り込みが課題、優待廃止は68社に

2025年に株主優待の導入(再導入を含む)を発表した上場企業は175社だった。一方で、廃止を発表した上場企業は68社だったことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。

TOPへ