• TSRデータインサイト

裁判所の法的手続き処理が動き出す、5月の倒産激減の揺り戻しも

 5月の企業倒産(全国)は314件と、1964年6月に次ぐ56年ぶりの記録的低水準となった。東京都の倒産も全国と同様に、5月は40件(前年同月比65.2%減)と劇的に減少した。ところが、6月の東京地裁の破産開始決定は、わずか10日までに39社を数え、5月の東京都の倒産件数にほぼ並んだ。
 東京地裁は4月7日、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令で、宣言期間中は法的手続きの申立は受け付けるが、緊急性のある事件以外の処理停止など一部業務の縮小を公表していた。5月25日に緊急事態宣言が解除され、東京地裁は一週間後の6月1日から緊急性のある事件を優先的に処理しながら、発令後に受け付けた事件処理を進めている。
 だが、6月3日までに東京地裁から破産開始決定を受けた(有)アクティブ(TSR企業コード:293915628)は4月16日、(株)オルデンエプログレッソ(TSR企業コード:296783803)は4月17日に、それぞれ破産を申請していた。破産申請から破産開始決定まで、1カ月半を要したことになる。
 法的手続きの処理は動き出したが、処理が追い付くには相当な時間を要するとみられる。6月度の倒産は5月繰り越し分が上乗せされ、さらに4月から高水準を続ける新型コロナ関連倒産も加わる。これから7月、8月に向け、倒産の揺り戻しがくる可能性が現実味を帯びてきた。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年6月11日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ