• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連倒産状況【4月21日17:00 現在】

 4月21日17:00までに「新型コロナ」関連の経営破たんは、全国で累計78件。倒産は50件に達し、それ以外に準備中は28件。20日から10件増加した。
 「新型コロナ」関連の経営破たんは、2月2件、3月23件だった。4月は21日までに53件が発生し、一気に増加ペースが強まった。
 都道府県別は、奈良県で初めて倒産が1件発生、31都道府県に広がった。最多は東京都の14件(倒産13件、準備中1件)、次いで、北海道10件(同10件、同ゼロ)、静岡県と兵庫県が各6件、愛知県・大阪府が各4件、福岡県が3件。10件以上は東京都と北海道の2都道。
 業種別では、宿泊業の14件(倒産9件、準備中5件)が最多で、飲食店9件(同7件、同2件)、アパレル関連8件(同3件、同5件)などが続く。 宿泊業はインバウンド依存が目立ち、飲食業は外出自粛の浸透で、来店客の減少が痛手になったケースが多い。ここにきて、外出自粛や休業要請が広がり、経営破たんは飲食店だけでなく、アパレル販売やパチンコ店など、業種が広がっている。
 4月16日、政府は「緊急事態宣言」の対象を全国に広げた。新型コロナ感染拡大は収束が見通せず、小・零細企業は疲弊している。さらに、大手企業でも、事前に資金調達の準備を進めている。経営破たんした企業の多くは、もともと人手不足による人件費上昇、消費増税などで、厳しい経営が続いていた。そこに新型コロナが最後のひと押しをした企業が多く、4月に入り、急激な業績悪化と資金調達のズレから経営に行き詰まる企業が急増している。
 なお、北海道すすきのでニュークラブ「Blan de Blan」を経営した(株)エールカンパニーは、2月から来店客が急減し、3月中旬に店舗を閉鎖し破産を申請していた。負債は約700万円のため、倒産には集計していない。
 ※企業倒産は、負債1,000万円以上の私的整理、法的整理を対象に、集計している。 


「新型コロナウイルス」関連倒産状況【4月21日17:00 現在】

4月だけで53件

 4月21日までに判明した経営破たんは78件で、20日より10件増加した。
 4月の経営破たんは、第1週(3日まで)11件、第2週(10日まで)15件、第3週(17日まで)15件と高水準で推移。さらに、第4週は2日間で12件と急増が際立っている。
 2月以降の新型コロナ感染拡大で業績悪化から、資金繰りが急速に悪化した企業が多い。政府や自治体は、中小企業への様々な資金繰り支援策を打ち出しているが、手続きに時間を要し、中小企業の資金繰りは時間との勝負になっている。 

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ