「新型コロナウイルス」関連倒産状況【4月20日17:00 現在】
4月20日、新たに弁護士一任・準備中が2件判明した。これで4月20日17:00までに「新型コロナ」関連の経営破たんは、全国で累計68件(倒産43件、準備中25件)に達した。
「新型コロナ」関連の経営破たんは、2月2件、3月23件だったが、4月は20日まで43件で、3月までの合計25件の2.7倍に急増している。
都道府県別では、30都道府県に広がっている。最多は東京都の11件(倒産10件、準備中1件)、次いで、北海道10件(同10件、同ゼロ)、兵庫県5件(同2件、同3件)、静岡県4件(同2件・2件)、大阪府・福岡県が各3件と続く。東京都と北海道の2地区が10件以上が発生した。
業種別では、インバウンド需要が消失した宿泊業が14件(倒産8件、準備中6件)、飲食店8件(同6件、同2件)、アパレル関連7件(同3件、同4件)など。インバウンドに依存した宿泊業、飲食業が中国人観光客の減少などで行き詰まるケースが目立った。その後、外出自粛で来店客の減少で売上高が落ち込んだアパレル・婦人服等販売、食品製造などの消費関連にも広がり、緊急事態宣言後の休業要請で店舗を休業していたパチンコ店、ゲーム機卸なども経営破たんした。
4月16日、政府は「緊急事態宣言」の対象を7都府県から全国に広げた。先行き不透明感が増すなかで、外出自粛や休業要請の影響による疲弊は小・零細企業だけでなく、中堅規模の企業まで影響が及んでいる。経営破たんした企業は、もともと人手不足による人件費上昇、消費増税などで経営が厳しかった企業が多く、新型コロナが背中を押す格好となった。今後、2月以降の急激な業績悪化が破たんに直結するケースが増えてくる可能性が高まっている。
※企業倒産は、負債1,000万円以上の私的整理、法的整理を対象に、集計している。
4月20日、新たに2件増加
4月20日までに判明した経営破たんは68件で、17日より2件増加した。
4月の経営破たんは、第1週(3日まで)11件、第2週(10日まで)15件、第3週(17日まで)15件と高水準で推移している。2月以降の新型コロナ感染拡大による業績悪化で、企業体力が消耗し、資金繰りに行き詰まる企業が多い。政府や自治体は、中小企業への様々な資金繰り支援策を打ち出している。だが、窓口に資金を求める事業者が殺到し、手続きの遅れから手元に資金が渡るまで2カ月ほど要するケースが多く、時間との競争になっている。