• TSRデータインサイト

ホームセンターの島忠 臨時休業時の賃料を請求せず、従業員にも特別支援金を支給へ

 ホームセンター大手の(株)島忠(TSR企業コード:310003156、さいたま市、東証1部)は4月9日、「新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休業及びテナント事業者支援についてのお知らせ」を発表した。

 4月7日、政府が特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発出し、島忠は家具売場のある52店舗のうち、該当地区の51店舗の家具売場を4月11日から5月6日まで臨時休業する。さらに、臨時休業期間の固定賃料はテナント事業者に請求せず、歩率賃料も月額最低保証売上高の設定を撤廃しテナントを支援する。
 同時に、島忠の全従業員に対しても、4月24日に特別支援金を支給することを発表した。取締役及び休職者等を除く約6,300人の全従業員が対象で、合計4億5,200万円を支給する。
 島忠の担当者は東京商工リサーチの取材に、「全59店舗中、58店舗が緊急事態宣言地域にある。感染拡大防止の重要度が高い地域で、日々奮闘している従業員などに報いるため」とテナントや従業員への支援を説明した。
 また、ホームセンター事業は、日常生活を支える地域のインフラ機能としての役割を担っており、営業を継続することも明らかにした。「(緊急事態宣言で休業を要請する業種にホームセンターの名前も出ている)報道でお客様から当店も休業するのではないかと不安の声が多く寄せられた。そのため政府などの発表を待たず、営業継続の意向を発表した」(担当者)とコメントした。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ