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「不急の破産など申立てを控えるように」 東京地裁が要請、緊急事態宣言を受けて

 政府が4月7日、「緊急事態宣言」を発出したが、東京地方裁判所民事第20部(破産再生部)は宣言期間中に破産など法的手続きの「不急の申立て」を控えるよう東京の3弁護士会に要請したことが4月9日、わかった。
 政府が東京など7都府県を対象に、特別措置法に基づき「緊急事態宣言」を行ったことで、東京地裁は業務を縮小している。
 東京地裁などによると、「緊急事態宣言」の解除を待つことができない事情がある事件を除き、破産などの不急の申立てを控えるよう東京の3弁護士会に要請した。同地裁は、「(破産など)申立ての受理は行うが、緊急度が高くなければ、開始決定は緊急事態宣言の解除まで処理を停止する」と説明。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、裁判所の破産手続きにも影響を及ぼしている。

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‌東京地裁の破産開始決定は大幅に減少する見通し(破産申立書、TSR撮影)


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年4月10日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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