• TSRデータインサイト

三陽商会、自己資本比率62.3%へ改善も「重要事象」を初記載

 アパレル大手の(株)三陽商会(TSR企業コード:290059666、東証1部)は、1月30日に公表した決算短信で「継続企業の前提に関する重要事象等」(以下、重要事象)を初めて記載した。2016年12月期~2018年12月期まで営業損失を計上していたが、2020年2月期(14カ月決算)も営業損失が見込まれることなどが要因。
 三陽商会の2020年2月期第4四半期(2019年1-12月)の累計売上高(連結)は、585億7,100万円(前年同時期比0.8%減)で、主力の百貨店向けが苦戦した。最終利益は15億9,000万円の赤字(前年同時期は8億1,900万円の赤字)だった。人件費を抑制したが、値引き販売の拡大などで総利益(粗利)率が低下し、赤字幅が拡大した。
 2019年12月末の現預金は、2018年12月末の180億7,700万円から71億8,300万円減少し、108億9,400万円に落ち込んだ。支払手形・買掛金は85億9,600万円から79億1,100万円への圧縮にとどまった。その他流動負債は、67億9,100万円から41億2,100万円へ減少した。三陽商会の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「2018年12月に実施した希望退職に関わる費用が支払われた」と、その他の流動負債の減少を説明した。
 借入金は、2018年12月末に80億円計上されていた長期借入金がなくなったが、短期借入金は10億2,700万円から90億円に増加した。総資産の縮小で、自己資本比率は61.4%から62.3%へ0.9ポイント改善した。
 ただ、2018年12月期にマイナスだった営業キャッシュフローは、2020年2月期(通期)でもマイナスを見込んでいる。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ