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保険代理店事業の旧T.F.Kが民事再生へ、光通信グループがスポンサーに

 保険代理店事業を展開していた(株)T.F.K(現(株)AIコーポレーション、TSR企業コード:296092290、東京都港区)が民事再生法の適用を申請する方針を固めた。東京商工リサーチ(TSR)の取材に複数の関係者が明らかにした。保険契約は新会社に承継済みで、一般契約者への影響はない。
 12月5日にも東京地裁へ民事再生法の適用を申請する。負債は金融債務を中心に約190億円。

 T.F.Kは、生命保険・損害保険代理店業などを手掛け、全国に事業所を開設。企業年金や事業年金、退職金対策コンサルティングなども手掛けていた。しかし、事業拡大に伴う運転資金の増加や不適切なキャッシュアウト、国税当局からの追徴課税などで資金繰りが悪化。金融機関に借入金の返済猶予(リスケ)を要請していた。
 2019年12月1日付で保険代理店事業のうち、借入金、リース債務その他の金融債務を除く権利義務は(株)E保険プランニング(TSR企業コード:131986554、東京都港区)へ承継。12月2日にT.F.KからAIコーポレーションへ商号を変更した。

 プレパッケージ(事前調整)型の民事再生で、(株)光通信(TSR企業: 293065080、豊島区、東証1部)の子会社である(株)NFCホールディングス(TSR企業コード: 295727691、新宿区、JASDAQ)がスポンサーとなる予定。
 12月4日、T.F.Kの代理人はTSRの取材に「ノーコメント」と述べた。

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