• TSRデータインサイト

エル・エム・エス、「簿価16億の貸付金」が実際は1,800万円

 11月19日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した(株)エル・エム・エス(TSR企業コード:292272499)。11月25日に開催された債権者説明会で、粉飾決算の手口が明らかにされた。開示された清算貸借対照表(表参照)によると、11月8日時点の「簿価」では売掛金が31億7万円、短期貸付金が16億2,622万円となっていたが、実際はそれぞれ19億447万円、1,807万円だった。説明会で「取引先への支援」や「正常ではない取引」について言及があったが、資産内容は簿価を大幅に毀損していた。
 清算貸借対照表を手にした大手商社の審査担当者は、「月商10億円の会社にしては簿価の売掛金がそもそも大きい。ただ、借入金に大幅な修正はなく借入明細に不正はないのではないか」との見立てを示した。

(株)エル・エム・エスの貸借対照表


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年11月27日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ