• TSRデータインサイト

野菜卸のエル・ワイ産業、給料未払いの発覚で任意整理へ

 野菜卸の(株)エル・ワイ産業(TSR企業コード:294340734、大田区)は、11月11日までに任意整理を川窪仁師弁護士(川窪総合法律事務所、大阪市西区西天満4-10-5、電話06-6314-2373)に一任したことがわかった。
エル・ワイ産業の窓口として対応している特別顧問の男性は、「法的清算でなく、あくまで任意整理を弁護士に一任した。売掛金を回収し、遅れている給料を優先的に支払う方針。事業を大幅に縮小し、貿易業務で(会社を)続けていきたい」と説明した。

エル・ワイ産業は、海外の輸入青果物を中心に取り扱う卸売業者。食品問屋に加え、大手飲食店などを中心に販路を形成している。さらに、食品スーパー「モールズマーケット目白店」(新宿区)を運営するほか、2017年にはカット野菜事業を買収し、2018年7月期には売上高34億9,500万円をあげていた。
だが、従来の低収益を改善できないまま事業が拡大し、借入金に頼った資金繰りが続いていた。2019年4月には東京都が社有不動産を差押(同年5月解除)したことで逼迫した資金繰りが表面化。同年6月には一部の従業員への給料未払いが発生していた。さらに、主要仕入先だった中国企業への支払い遅れも発生し、返済を巡る協議が物別れに終わった。こうした事態を背景に、10月下旬に中国企業が約54万ドル分のエル・ワイ産業の売掛金を仮差押したため、資金繰りが維持できなくなった。
従業員120名の大半は、今後解雇される予定。「モールズマーケット目白店」は11月12日、閉店している。中国人など外国人従業員が未払い賃金の支払いを求め、本社に詰めかけており、特別顧問らが対応している。
11月13日、従業員に向けて「未払い賃金の一部は11月18日に送金予定。6月から9月分までを最優先し、10月分については約120人分で割り算する」とし、「売掛金の回収が進めば11月末に2回目の支払いをする」旨を通知したが、混乱が続いている。

エル・ワイ産業が運営していた「モールズマーケット目白店」

‌エル・ワイ産業が運営していた「モールズマーケット目白店」

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年11月15日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ