• TSRデータインサイト

「東日本大震災」関連倒産(9月度速報値)

 2019年9月の「東日本大震災」関連倒産は1件(速報値:9月30日現在)で、前年同月(2件)を2カ月連続で下回った。月次ベースでは、8月に並んで今年最少となった。
なお、2019年度上半期(4-9月)は14件(前年同期比44.0%減、前年同期25件)で、1ヶ月あたり平均2.3件(前年同期4.1件)と震災から8年6カ月を経過して収束傾向が強まっている。
ただ、震災当月の2011年3月から103カ月連続で関連倒産が発生、累計件数は1,923件(9月30日現在)に達した。

9月の倒産事例

 バオ・メタル(株)(TSR企業コード:870584154、法人番号:8290001037336、福岡県)は各種鉄鋼構造物の設計や施工、製作、組立などを手掛けていた。原子力関連施設向け受注により2008年8月期には売上高約6億3,000万円を計上していたが、以降は大口案件の先送りや2011年3月に発生した東日本大震災の影響による発注の見合わせなどで、2012年8月期の売上高は4億円台に低下していた。2018年8月期にはクレームが発生して工場が約3カ月休止し、対応に追われて約半年間、営業活動ができず、売上高は約3億6,600万円に大幅減、最終赤字は2億145万円に達し、債務超過へ転落。立て直しを図ったが、資金繰りは限界に達し9月2日、福岡地裁に破産を申請した。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

 累計件数1,923件の都道府県別で、最も多かったのは東京の569件。次いで、宮城179件、北海道85件、岩手82件、神奈川79件、福島77件、茨城と千葉が各76件、福岡71件、栃木と群馬が各61件、静岡50件、山形48件、埼玉と大阪が各46件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は443件(構成比23.0%)だった。
産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の510件(構成比26.5%)。次いで、製造業444件(同23.0%)、卸売業351件(同18.2%)、建設業224件(同11.6%)、小売業183件(同9.5%)、運輸業79件、情報通信業64件と続く。
被害型で分類すると、「間接型」1,711件(構成比88.9%)に対して、「直接型」が212件(同11.0%)だった。

東日本大震災関連倒産

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ