• TSRデータインサイト

「チャイナリスク」関連倒産、1-5月累計は前年同期比4割減、負債規模は大きな倒産が目立つ

 1-5月累計の「チャイナリスク」関連倒産は、件数が13件(前年同期比43.4%減)と大幅に減少した。一方、負債合計は79億3,300万円(同18.2%増)と増加している。
 プリント配線基板の製造などを手掛ける(株)原宿製作所(TSR企業コード:350113050、神奈川県)は、中国子会社でのトラブルも一因となり、約20億円の負債を抱え3月に横浜地裁に民事再生法の適用を申請した。比較的規模の大きな倒産が相次ぎ、負債総額を押し上げた。
 5月は、件数が2件(前年同月比77.7%減)、負債総額が17億5,300万円(同34.1%減)で、ともに減少した。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1.コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2.品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3.労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4.売掛金等回収難(サイト延長含む)
    5.中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6.反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7.価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8.その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 1-5月累計の「チャイナリスク」関連倒産のうち、負債1億円以上は全体の61.5%(8件)を占めた。企業倒産全体では負債1億円以上の倒産の構成比は26.7%(3,257件中870件)にとどまり、「チャイナリスク」関連倒産の大型化が目立つ。中国とのビジネスでは、現地拠点の開設や商流の開拓などで相応の資本投下が必要なため、中堅規模の企業が中心になるほか、倒産時は先行投資を抱えて負債が大型化しやすい傾向にある。
 ただ、中国企業との直接取引がなくても、中国の規制変更でビジネス戦略に狂いが生じるケースもある。廃棄物の収集・処理を手掛ける(株)グリーンシステムズ(TSR企業コード:352005580、神奈川県)は、中国の廃棄物輸入規制の影響で中間処理業者が保管破砕費用を値上げしたため、収益が悪化。4月に約2億6,500万円の負債を抱え、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。今後、こうした中国の規制変更の影響は、規模の大小を問わず、国内企業にも広がる恐れがある。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「鰻の成瀬」、株式譲渡を巡り対立が表面化~ 仮処分決定と株主間契約 ~

うなぎ料理専門店「鰻の成瀬」のフランチャイズ(FC)やコンサルティングなどを手掛けるフランチャイズビジネスインキュベーション(株)(TSRコード:136729983、滋賀県、以下FBI社)の周辺が騒がしい

2

  • TSRデータインサイト

キーボード「FILCO」のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~

パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。

3

  • TSRデータインサイト

役員報酬額 歴代最高の134億円「セブン&アイHD」デピント元取締役

(株)セブン&アイホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント元取締役(2025年3月9日辞任)の2026年2月期の役員報酬額が、134億1,700万円と、過去最高額となった。5月20日に公表された有価証券報告書で判明した。

4

  • TSRデータインサイト

エステサロン、倒産が今年もハイペース ~1-4月は過去最多、高額契約は慎重に~

全身美容や脱毛などエステ・脱毛サロンの倒産が止まらない。2026年は4月までに35件に達し、同期間で過去最多だった2025年の31件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ