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プラント大手の千代田化工建設 当期利益を2,150億円の大幅赤字に下方修正

 経営再建中の千代田化工建設(株)(TSR企業コード:350157642、横浜市西区、東証1部)は5月7日、2019年3月期決算(連結)の業績予想の下方修正を発表した。それによると売上高は前回予想4,000億円から600億円減の3,400億円(前期比33.4%減)、当期純利益は同1,050億円の赤字から1,100億円悪化の2,150億円の赤字(前期64億4,500万円の黒字)で、債務超過に転落する可能性もある。
 2019年3月期決算は5月9日14時に発表予定。

 業績予想の下方修正の理由について、「リスクを厳格に査定し大幅な追加コストを計上した結果」と説明した。米国のキャメロンLNGプロジェクトは、第1系列の建設工事最終盤に想定外のコスト増が生じ、現場作業員の離職率が高止まりしている。このため生産性の向上が期待できず、第2、第3系列の工事の予想工事を見直したことが響いた。また、インドネシアのタングーLNGプロジェクトもコストを再度、精査した。
 一部で報道された「三菱商事が三菱UFJ銀行と共同で1,500億円超の投融資をする方針」について5月6日、千代田化工建設は「当社への再建支援策については、各方面の関係者と協議を行っているのは事実だが、現時点で具体的に決定した事実はない」と発表した。

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