• TSRデータインサイト

RIZAP、建築子会社「タツミプランニング」の主要事業を売却へ

 RIZAPグループ(株)(TSR企業コード:295695790、新宿区、瀬戸健社長、札証アンビシャス、以下ライザップG)は3月29日、連結子会社の(株)タツミプランニング(TSR企業コード:352016531、横浜市西区、長谷川亨社長、以下現タツミ社)の戸建住宅・リフォーム部門を売却すると発表した。
 現タツミ社の戸建住宅・リフォーム事業を会社分割により新設会社に承継し、新設会社の全株式を髙松建設(株)(TSR企業コード:571632173、大阪市淀川区、髙松孝年社長)に譲渡する。新設会社は髙松建設の100%子会社となる。現タツミ社は、会社分割後も引き続きRIZAPグループの100%子会社のまま存続し、不採算が続いているメガソーラー事業などを手掛ける企業となる。新設会社の商号は、(株)タツミプランニング(5月15日設立予定)。

 現タツミ社は、2016年2月にRIZAPグループの傘下入り。注文住宅の販売やリフォームを主力に手掛ける。2013年に太陽光発電所の建設・販売を行うメガソーラー事業を開始したが、後発参入であったことに加え、固定買い取り価格の下落などが影響し、2019年3月期第3四半期で約7億3000万円の赤字を計上していた。
 今回の会社分割、株式譲渡に伴い、ライザップGは2019年3月期に、髙松建設への譲渡価格(約15億円予定)と新設会社の純資産の差額を売却益として計上する。一方、売却益を大きく上回る額の現タツミ社に残るメガソーラー事業の減損などを計上する見込み。
 ライザップGでは、グループ企業の抜本的な構造改革に取り組んでおり、今回の会社分割で、グループ会社の売却は3例目となる。ライザップGの担当者は東京商工リサーチの取材に対し、現タツミ社に残るメガソーラー事業の撤退の可能性について、「あらゆる方策を検討中」とコメントしている。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年3月1日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「他都道府県への本社移転」 1万6,271社 TSMC効果?九州が転入超過トップ、県別トップは埼玉県

2024年度に他都道府県に本社・本社機能を移転した企業は1万6,271社(前年度比18.7%増)で、前年度から大きく増加した。コロナ禍からの人流回復や需要変化に合わせ、本社移転の動きが活発化している。

2

  • TSRデータインサイト

創光科学の「破産開始決定」が取消しに ~上場子会社、複雑に絡まり合う利害関係 ~

東証プライム上場の医療機器メーカー、日機装(株)(渋谷区)は5月15日、連結子会社の創光科学(株)(渋谷区)の破産開始決定の取消しに関する経過を開示した。 破産手続きを巡り、2年にわたる親会社VS創業者の異例の抗告合戦へと発展した事件は、最高裁の判断でようやく決着した。

3

  • TSRデータインサイト

警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。

4

  • TSRデータインサイト

「雇調金」不正受給 倒産率は平均の約31倍 不正公表1,699件、サービス業他が45%

全国の労働局が4月30日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数は、2020年4月からの累計が1,699件に達した。不正受給総額は551億6,918万円にのぼる。

5

  • TSRデータインサイト

マレリにマザーサンが買収提案、私的整理の協議の行方は ~ 「マザーサンの提案は選択肢の一つ」 ~

自動車部品大手のマレリホールディングス(株)は5月26日、私的整理を協議するために都内で集会を開催した。 集会後、マレリHDの関係者が東京商工リサーチの取材に応じ「マザーサンの買収提案は選択肢の一つだ。それしかないような報道がなされているが、一択ではない」とコメントした。

TOPへ