• TSRデータインサイト

ゴルフスタジアムの破産手続きが終了へ

 ゴルフのレッスンプロが破産を申し立て、2017年7月に東京地裁から破産開始決定を受けた(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424、登記上:東京都港区、堀新社長、以下:ゴルフ社)の5回目の債権者集会が都内で開かれた。
ゴルフ社はレッスンプロらに数百万円のゴルフスイング解析ソフトを信販契約で販売していた。レッスンプロらのホームページを無料でゴルフ社が作成し、そこに広告を掲載することで得られる広告料収入でソフト代金をまかなうことで「実質無料」になると勧誘。多くのレッスンプロが契約した。しかし、ゴルフ社の資金繰り悪化から広告料の支払いが滞り、ソフト代金が残ったレッスンプロとトラブルとなっていた。
債権者集会に参加した「ゴルフスタジアム被害者を守る会」の弁護士は、「全国から被害者が多く集まり、緊張したやり取りがあった」とコメント。集会では、破産管財人から換価業務や調査業務がともに終了したことが説明されたという。
また、破産手続きとは別に信販会社への民事訴訟が続いている。守る会の弁護士によると、信販会社6社に対し、延べ826名が訴訟に参加。ゴルフ社の破産管財人から提出された資料の分析やレッスンプロへのヒアリングなどを実施した。ヒアリングでは解析ソフトの9割以上が未開封・未使用だったという。
民事裁判は一番早い訴訟で年内の終結を予定し、遅いものでも来年4月から5月頃の終結を予定している。


ゴルフスタジアム本社入口

ゴルフスタジアム本社入口

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年3月28日号掲載「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の聘珍樓に予約 約1,000組、前払い客も ~ 横浜中華街の御三家の一角、破産の影響広がる ~

横浜中華街の御三家として知られる老舗の中華料理店である(株)聘珍樓(TSRコード: 017658390、横浜市)と関連2社が5月21日、破産開始決定を受けた。

2

  • TSRデータインサイト

警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。

3

  • TSRデータインサイト

ミュゼプラチナム、第三者破産に「積極的な対抗せず」 ~ 運営会社MPH・高橋英樹社長 単独インタビュー ~

大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)の動向が注目されている。MPHのほか2社でフランチャイズ展開を進めているが、今回の第三者破産を当事者はどう受け止めているのか。 東京商工リサーチは、MPHの高橋英樹社長と関係者に単独取材した(取材日は5月21日)。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「早期・希望退職」募集人数は8,711人で前年2倍に急増、相次ぐ大型募集

 2025年1月-5月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は19社(前年同期27社)で、前年同期より約3割(29.6%減)減少した。しかし、大手メーカーの大型募集が相次ぎ、対象人員は、8,711人(前年同期4,654人)と前年同期の約2倍(87.1%増)に急増した。

5

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

TOPへ