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2017年「全国社長の輩出率、地元率」調査~ 「輩出率」首位は徳島県、「地元率」最高の沖縄県は唯一90%超 ~

 2017年の都道府県別の社長「輩出率」は、徳島県が4年連続でトップだった。出身地の都道府県内の企業で社長に就く「地元率」は、沖縄県が92.9%と唯一の90%越えで他を圧倒。調査を開始以来、8年連続でトップを維持した。
社長の出身地は、東京都、北海道、大阪府、愛知県など、大都市や中核都市が上位を占めた。
社長の「地元率」は、沖縄県を除き、愛知県や広島県の比率も高かった。地域内に自動車産業など関係する企業の裾野が広い基幹産業を有しており、「地元率」にも影響していることがうかがえた。

  • 本調査は、東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース約480万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身地を抽出、集計した。なお、同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高の大きい企業を優先し、重複企業を集計対象外とした。集計対象外企業は22万1,819社。
  • 都道府県別の社長数は人口に左右されるため、出身都道府県別の社長数と人口(総務省「人口推計」2017年10月1日現在)を対比し、2017年の社長「輩出率」を算出した。本調査は2010年から集計し、今回が8回目。

都道府県別 社長輩出率

社長「輩出率」、徳島県が4年連続トップ

  社長「輩出率」トップは、徳島県が1.40%(前年1.36%)で 4年連続トップだった。堅実・実利を尊ぶ県民性のほか、ブロードバンド環境の整備を進め、先端産業・ベンチャー企業集積も目指している。
徳島県の人口は73万7,226人(2018年8月1日時点推計)。19年連続で減少し、戦後初めて75万人を割り込んだ前年から、さらに減少が続いている。関西圏に近く、住民の転出数が転入数を上回り、人口動態が社長「輩出率」トップに影響している可能性もある。

首都圏のベッドタウンが「輩出率」低率に並ぶ

 2位は山形県の1.28%。「辛抱強くて、堅実」な県民性に加え、江戸時代から商工業が活発な土地柄で、絹織物「米沢織」や「山形鋳物」など伝統工芸品が数多くある。
次いで、香川県1.18%、秋田県1.17%、愛媛県1.05%の順で続く。総務省「人口推計」において、いずれの県も人口減少率が全国平均0.17%減を上回り、人口動態の影響もみられる。
一方、輩出率が低いのは47位に埼玉県(0.26%)、46位に千葉県(0.28%)、45位に神奈川県(0.33%)と首都圏のベッドタウンが続く。輩出率上位県とは対照的に3県とも人口が増加しており、輩出率を相対的に下げている。

社長の出身地、最多は東京都、最少は鳥取県

 都道府県別の社長出身地人数では、トップが東京都。次いで、北海道、大阪府、愛知県、神奈川県、福岡県、広島県と、大都市や中核都市が続く。
一方、最も少なかったのは鳥取県。次いで、滋賀県、佐賀県、島根県の順。トップの東京都と最少の鳥取県はともに8年連続となった。

地区別の社長「輩出率」、四国が8年連続トップ

 地区別の社長「輩出率」は、四国の1.13%(前年1.12%)が最も高く、8年連続でトップを維持した。
次いで、東北0.94%(同0.93%)、北海道0.92%(同0.92%)の順で、トップ3は前年と同じ顔ぶれ。以下、中国が1ランク順位を上げて0.86%(同0.85%)、北陸0.85%(同0.85%)、九州0.73%(同0.76%)、中部0.67%(同0.67%)、近畿0.54%(同0.54%)、関東0.47%(同0.49%)の順。

都道府県別 社長地元率

社長「地元率」、沖縄県が8年連続トップ

  地元出身者が地元企業の社長を務める、社長「地元率」では、沖縄県が92.9%(前年94.1%)で8年連続トップとなった。離島の地理的条件の他、産業構造が公共投資・観光・基地の「3K」に依存し、かねて「製造業の不毛の地」とも言われてきた。他県からの企業進出が少なく、雇用の受け皿も不足するなか、近年は観光関連を中心に好調な景気を背景に開業率が高い。
東京商工リサーチが5月23日に発表した“2017年「全国新設法人動向」調査”でも、新設法人数を「国税庁統計年報」に基づく普通法人数で除した「新設法人率」が、沖縄県は8.7%でトップだった。

「地元率」、上位には地方の中核都市と裾野の広い基幹産業の複合的影響

 「地元率」の上位は沖縄県に次いで、愛知県89.5%、北海道87.9%、広島県87.1%と続く。愛知県、広島県は地域の中核都市と同時に、自動車産業など基幹産業の取引先や関連企業などで裾野が広く、下請け企業なども先代の跡を継いだ同族社長が多い。
一方、「地元率」が最も低かったのは鹿児島県の63.8%。次いで、奈良県66.7%、長崎県67.7%、兵庫県68.4%と続く。全国平均は79.7%で、21道府県で平均を上回った。

地区別の社長「地元率」、北海道が87.9%でトップ

  地区別の「地元率」では、北海道が87.9%でトップ。次いで、中部84.2%、四国82.1%、東北81.6%、北陸81.5%、中国80.9%、関東77.8%、九州76.3%、近畿75.1%の順。

 政府は「地方創生」を主要政策に掲げるが、少子化と高齢化の同時進行で人口減少が止まらない地域が多い。地方と大都市の経済格差は、縮まるまでに至っていない。
社長「輩出率」は、人口減少が著しい地域で高い傾向をみせている。比率算出式の分母である県内人口が年々減少し、相対的に輩出率が高止まりしていることが影響している可能性もある。
一方、“2017年「全国新設法人動向」調査”では、秋田県や山形県など人口減少と高齢化の著しい地域ほど、普通法人数に占める新設法人の割合が低い傾向がある。社長数自体の伸び悩みだけでなく、地域の将来性から地元での開業が頭打ちになっている構図も透けてみえる。
創業支援だけでなく、賃金水準の地域格差の解消、次世代産業の創出など、官民そろった振興策で人口減少に歯止めをかけ、開業率が上昇した時こそ、社長「輩出率」と「地元率」が実態を反映した指標になるだろう。

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