• TSRデータインサイト

「人手不足」関連倒産(7月)

 企業倒産が低水準な推移の一方で、中小企業を中心に人手不足が深刻度を増している。「人手不足」関連倒産は、「後継者難」型が中心で現状は推移しているが人手不足感が解消されない中で、「求人難」型の今後の動向が注目される。


7月は今年最多の41件

 2018年7月の「人手不足」関連倒産は、41件(前年同月比70.8%増、前年同月24件)で、5月(38件)を上回り、今年最多になった。内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が倍増の32件(前年同月16件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が4件(同7件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が4件(同ゼロ)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が1件(同1件)。

人手不足関連倒産月次推移

7月の産業別、建設業が最多

 7月の産業別では、最多が建設業の12件(前年同月5件)。次いで、サービス業他9件(同11件)、卸売業5件(同3件)、製造業4件(同1件)、小売業4件(同1件)、情報通信業3件(同ゼロ)、農・林・漁・鉱業と運輸業が各2件と続く。

7月の地区別、9地区のうち7地区で倒産が発生

 7月の地区別では、全国9地区のうち北海道と東北を除く7地区で倒産が発生した。内訳は関東20件(前年同月9件)を筆頭にして、中国6件(同2件)、九州5件(同4件)、中部4件(同5件)、四国3件(同1件)、近畿2件(同1件)、北陸1件(同ゼロ)の順。

7月の都道府県別、最多は東京11件

 7月の都道府県別では、東京11件(前年同月3件)、埼玉・愛知・広島が各4件の順だった。

2018年1-7月の要因別、「後継者難」型が約8割

 2018年1-7月の「人手不足」関連倒産は226件(前年同期比20.2%増、前年同期188件)で、前年同期より2割増で推移している。 内訳をみると、「後継者難」型が178件(前年同期比21.9%増、前年同期146件)、「求人難」型が前年同期同数の23件、「人件費高騰」型が14件(前年同期比40.0%増、前年同期10件)、「従業員退職」型が11件(同22.2%増、同9件)で、「後継者難」型が約8割(構成比78.7%)を占めた。

2018年1-7月、卸売業が73.9%増

 2018年1-7月の産業別では、最多がサービス業他の59件(前年同期比15.6%増、前年同期51件)。次いで、建設業44件(同12.8%増、同39件)、卸売業40件(同73.9%増、同23件)、製造業36件、小売業18件の順。
 2018年1-7月の地区別では、全国9地区のうち関東(80→101件)、中部(22→27件)、九州(22→23件)、東北(9→15件)、中国(12→15件)、四国(5→11件)、北陸(1→3件)の7地区で前年同期を上回った。一方、減少は近畿(24→20件)と北海道(13→11件)の2地区。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ