• TSRデータインサイト

「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向(7月)

 2018年7月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は、3カ月ぶりに1件(前年同月4件)発生した。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの金融支援や、緩やかな景気拡大も影響して企業倒産は依然として低水準に推移している。

円滑化法関連倒産月次推移

7月の負債総額、5カ月ぶりの増加

 

 2018年7月の負債総額は、33億5,600万円(前年同月比497.1%増、前年同月5億6,200万円)で、5カ月ぶりに前年同月を上回った。

1-7月の累計件数、前年同期より約7割減

2018年1-7月の累計は9件(前年同期比68.9%減、前年同期29件)で、前年同期より約7割減で推移している。また、負債総額は72億6,100万円(同80.2%減、同367億2,200万円)と大幅に減少している。負債額別では、10億円以上の大型倒産が2件(前年同期6件)にとどまり、5億円以上10億円未満が最多の3件(同2件)だった。

産業別では、製造業2件(同10件)、建設業2件(同3件)、情報通信業2件(同2件)、卸売業1件(同5件)、サービス業他1件(同4件)、不動産業1件(同2件)だった。

原因別では、既往のシワ寄せ(赤字累積)4件(同5件)が最も多かった。次いで、販売不振3件(同19件)と続く。

形態別では、特別清算4件(同2件)、破産3件(同18件)、取引停止処分2件(同4件)だった。事業消滅型の法的倒産が約8割(構成比77.7%)を占め、業績不振から事業継続を断念していることが窺える。

従業員数別では、5人以上10人未満が4件(同12件)、5人未満が3件(同5件)、20人以上50人未満が2件(同5件)で、従業員数10人未満が7件(同17件)になった。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ