• TSRデータインサイト

2018年3月期決算 国内銀行91行『平均年間給与』調査

 国内銀行91行の2018年3月期の平均年間給与(基本給与+賞与・基準外賃金、以下平均給与)は609万円(中央値612万4,000円)だった。前年の614万9,000円(同620万1,000円)から5万9,000円減少(0.9%減)し、2年連続で前年を下回った。
 平均給与のトップは、5年連続で三井住友銀行(810万5,000円)だったが、前年より4万3,000円減少(0.5%減)した。2位はスルガ銀行(800万8,000円)で前年3位からアップ、3位は東京スター銀行(796万4,000円)と、トップ3の顔ぶれは4年連続で同じだった。
 平均給与の上位10行のうち、前年より平均年間給与が伸びたのは、あおぞら銀行、新生銀行の2行にとどまり、上位銀行の給与伸び悩みが目立った。
 国内銀行の平均給与は2年連続で前年を下回り、70行(構成比76.9%)が前年を割り込んだ。日本銀行のマイナス金利で金融機関の収益が悪化し、さらに残業などの時間外手当の削減が拍車をかけ、従業員の年間給与は伸び悩んでいる。


  • 本調査は国内銀行の有価証券報告書などで、従業員数、平均年間給与、平均年齢が判明した91行を対象に集計、分析した。
  • 大手行はりそな銀行を含む6行、地方銀行は全国地銀協加盟行(54行:北都銀行、荘内銀行、足利銀行、横浜銀行、近畿大阪銀行  山口銀行、北九州銀行、親和銀行、肥後銀行、鹿児島銀行を除く)、第二地銀は第二地銀協加盟行(31行:北洋銀行、きらやか   銀行、仙台銀行、東日本銀行、大正銀行、もみじ銀行、徳島銀行、香川銀行、長崎銀行、熊本銀行を除く)。

平均年間給与 7割の銀行が前年を下回る

  国内銀行91行の2018年3月期の平均給与は609万円(中央値612万4,000円)で、前年より5万9,000円減少(0.9%減)した。前年を上回ったのは、大手行は6行のうち2行、地方銀行は54行のうち10行、第二地銀は31行のうち9行の合計21行で、わずか2割(構成比23.0%)にとどまった。
 91行の平均給与は2007年3月期653万8,000円(中央値659万7,000円)をピークに、その後は減少をたどった。2013年3月期にようやく増加に転じたが、2016年2月に日銀がマイナス金利を導入後は低金利競争に入り、再び2017年3月期から2年連続で前年を下回った。

 業態別の平均給与では、大手行が757万8,000円(前年比0.1%減、中央値774万5,000円)、地方銀行が623万9,000円(同1.3%減、同629万2,000円)、第二地銀は554万2,000円(同0.4%減、同559万6,000円)と、全業態で前年を下回った。
 大手行との差は、地方銀行が▲133万9,000円(前年▲126万9,000円)、第二地銀は▲203万6,000円(同▲202万3,000円)と、それぞれ低い。前年より大手行との給与格差は地方銀行が7万円、第二地銀が1万3,000円、それぞれ拡大した。

業態別 平均年間給与

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ