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金融庁、JC証券に行政処分

 7月24日、金融庁はJC証券(株)(TSR企業コード:402600045、東京都、久保田厚志社長)の金融商品取引業者の登録を取り消した。
 JC証券は2007年5月設立。2008年4月に第一種金融商品取引業、2014年7月に第二種金融商品取引業を登録している。金融庁は金融商品取引法に基づき業務状況を検査していたが、会社法で必要とされる取締役会や株主総会を開催せずに親会社を割当先とする増資を実施。検査には取締役会の虚偽の議事録を提出した。金融庁は金融商品取引業者として経営のガバナンスが機能していないとして、7月24日付で登録を取り消した。
 7月25日、JC証券の担当者は東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じ、「(増資割当先の)親会社はJCサービス。昨年5月にJCサービスの傘下となったが、それ以降は証券業務を手がけていないので、金融商品取引の売上は昨年5月以降1円も計上されていない」とコメント。現在の事業については、「詳細は言えないが、本業はコンサルティング。今回の行政処分の影響は現時点ではわからない」と述べるにとどめた。
 (株)JCサービス(TSR企業コード:575128062、大阪府)の担当者は、TSRの取材に、「JC証券は(JCサービスの)100%子会社。親会社として今回の処分は厳粛に受け止めている」と述べた。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月26日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


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