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「為替」関連倒産(6月)

 2018年6月の外国為替市況は、総じて1ドル=110円を中心とした狭いレンジ内で推移した。12日には、歴史的な初の米朝首脳会談が開かれ、地政学リスクの後退を好感して安全資産とされる円が売られ、円相場は一時、5月23日以来の1ドル=110円台半ばの円安・ドル高水準をつけた。
 また、月末にかけては、米中貿易摩擦の過度の警戒感が和らいだことで、円を売ってドルを買う動きが優勢になってきた。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、6月の「円安」関連倒産は1件(前年同月1件)、「円高」関連倒産は過去の円高時の影響を受けた1件(前年同月ゼロ)にとどまった。
 ただし、米国の鉄鋼・アルミニウムの追加関税の対象拡大などで、各国の保護関税の応酬による保護主義の広がりが懸念されていることから、引き続き今後の為替相場の動きには注意を怠れない。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

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