• TSRデータインサイト

破産したビバック、最大の一般債権者は加藤製作所

 5月7日、東京地裁から破産開始決定を受けた建機販売・レンタルの(株)ビバック(TSR企業コード:296003956、東京都品川区)。負債総額は債権者122名に対し、185億9,086万円だったことがわかった。
ビバックが裁判所に提出した「破産申立書」に記載された一般債権者のトップは建設機械・特装車メーカーで東証1部上場の(株)加藤製作所(TSR企業コード:290030080、東京都品川区)だった。ビバックへの債権額は19億9,741万円となっている。

加藤製作所はビバックのほか、2017年12月に民事再生法の適用を申請(その後、破産に移行)した(株)PROEARTH(TSR企業コード:363795677、神奈川県)、2018年1月に民事再生法の適用を申請した(有)大曲建機(TSR企業コード:220106673、秋田県)にも不良債権が発生。2社への債権額合計は10億617万円で、ビバックを含む債権額は30億358万円に達する。
これに先立ち加藤製作所は2018年2月9日、「繰延税金資産の計上、業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」をリリース。その中で「取立不能等のおそれが発生したため貸倒引当金繰入額13億9,300万円を販売費及び一般管理費に計上する見込み」として、2018年3月期の連結業績予想における当期純利益を当初の30億円から18億円に下方修正している。

5月8日、東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じた加藤製作所の担当者は、「(ビバック破産の影響について)2月9日にリリースした貸倒引当金繰入額にはPROEARTHと大曲建機への焦付と、2018年3月末時点で予想するビバックへの貸倒分を含んでいる。ビバックへの貸倒分は保全の度合いによって計上した」とコメントした。ビバック破産で損失額がある程度判明したが、追加損失計上の可能性については「現在、精査中」と述べるにとどめた。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年5月9日号に「ビバックの主な債権者一覧」を掲載予定)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ